避難安全検証法を使った開放感のある空間の実現

防災計画|避難安全検証法

FEATURES01

避難安全検証法による設計

避難安全検証法とは、建物の各室で想定される火災に対して、在館者が安全に逃げられることを確認する設計手法です。避難安全検証法を採用した建物では、建築基準法に定められている避難安全関連の規定(避難施設、排煙設備等)の緩和が可能となり、より自由度の高い建築空間の実現を可能にします。

FEATURES02

吹抜け空間と執務空間の共存

本来、吹抜け空間は、その内部で火災が発生すると、急速に火煙が拡大し、被害規模が甚大になるリスクがあるため、防火シャッター等で細かく区画をする必要があります。そこで、避難安全検証法を採用し、空間の特性を考慮した煙のシミュレーション等を行うことで、開放感のある吹抜け空間と執務空間を共存させた空間を実現します。

シミュレーションを用いて、煙の拡がりと避難時間を予測し、安全に避難できることを検証することで、仕様規定に依らない合理的な設計をおこない、防火区画の壁や防火シャッターの枚数を削減できます。これにより、空間を広く見せ、一体感のある吹抜け空間を実現することができます。また、防火シャッターの枚数を減らすことは、建設コストを抑え、維持管理をしやすくすることにもなります。

FEATURES03

フレキシビリティの高い空間

高層ビルにおける上層階にオフィスを計画する際は、室内に防火シャッター、防煙垂れ壁の設置などが仕様規定で定められています。避難安全検証法を採用して火災時の安全性を検証することで、防火シャッター、垂れ壁のないすっきりとした天井面の、レイアウト変更にも柔軟に対応できるフレキシビリティの高い空間が実現できます。

避難安全検証法を用いた性能設計を行うことで、排煙設備を合理化することができます。大規模なオフィスビルでは、通常、防煙垂れ壁を1室内に3~5か所設け、大風量の排煙設備を設ける必要がありますが、垂れ壁の設置と排煙風量を緩和(排煙ダクトサイズ縮小)させることで、すっきりとした天井と高い天井高さを実現することが可能になります。

検証事例プロジェクト:アルプスアルパイン仙台開発センター(古川)