生物多様性実践・検証フィールド
ランドスケープデザイン|清和台の森づくり
FEATURES01
人を育て、技術を磨き、 社会課題解決につなげる4つの活動
兵庫県川西市中央部の丘陵地にある、敷地面積約8haの自社研修所の緑地再生から始まったプロジェクトです。市北部には「日本一の里山」といわれる地区があり、里山のクヌギを使う炭の生産が江戸時代から続いています。
活動開始に当たり敷地とその周辺の生きもの調査を行い、周辺に広がる里山で見られる種の多くを確認できました。敷地は住宅地に囲まれ孤立した緑地ですが、さまざまな動植物の生息地として機能していることがわかりました。
活動1は、敷地全体を豊かな緑地に整備・保全することです。活動2は、体験型森づくり研修で、既に150人を超える従業員が受講しました。自然の力に気づき、学び合い、人財育成につなげます。活動3は、実践・検証を通じ自然のもつ多様な機能を活かす技術の開発です。
活動1~3の先には、活動4、ステークホルダーとの連携・協働へ展開します。地元川西市やNPOとの生物多様性保全活動や、研修コンテンツを取りまとめた研修テキストを活用し、企業や学校の研修と連携も可能です。そして、関係する多くの人と力を合わせ、自然を活かした土地利用や社会課題解決策を提案し、よりよいまちづくり、そしてサステナブル社会の実現に取組みます。
FEATURES02
自然の多様な機能を活かした3つの解決策のモデル
研修所の自然を読み解き、自然の多様な機能を活かした解決策のモデルをつくります。自然の要素である、土壌、水循環、生物に着目し、約8haの敷地を場所の特性に合わせ、「土を活かす」「雨を活かす」「森を活かす」の3つにゾーニングします。
運動場跡地であった「土を活かす」ゾーンは、土の性能を引き出す素材モデルを検討します。
研修棟がある「雨を活かす」ゾーンは、建物の屋根に降った雨水を活用する計画・設計・施工・運用モデルを検討します。
敷地外周部の里山林が残存している「森を活かす」ゾーンは、里山の生態系を保全・活用するモデルを検討します。
3ゾーンのモデルは、当社の考えるグリーンインフラの5つの効果である、「環境」「経済」「社会」「防災・減災」「健康」を含み、技術開発では、5つの効果の組合せを実践・検証します。
参照:グリーンインフラコンセプトブック https://www.takenaka.co.jp/enviro/gicb/
FEATURES03
活動を継続し、生物多様性を文化にする
2018年から始めた活動は、モデル製作やステークホルダーとの対話の段階に入り、準備を進めています。
グリーンインフラや生物多様性に着目し、人と自然が融合したサステナブルなまちづくりを目指す方たちが集まり、情報の交換・蓄積・発信を行える場所づくりに取組みます。
参照:清和台の森づくり https://www.takenaka.co.jp/enviro/feature/05/