舗装ブロックの美観を長期間保つ「多孔質ポリマーモルタル工法」開発~美術館周辺や高級住宅街などの高い意匠性が求められる道路に適用~
2014年4月17日
株式会社竹中道路
株式会社竹中工務店
竹中道路(社長:藤本庄二)と竹中工務店(社長:宮下正裕)は、歩道や広場に多く使用されている舗装ブロックの美観を長期間保つことが可能な「多孔質ポリマーモルタル工法」(特許出願中)を開発しました。
本技術は、コニシ株式会社(社長:横田隆)と共同開発した有機系のポリマー(結合剤)と砂を混ぜ合わせた多孔質モルタル※1を敷き均し、ブロックを敷設する工法です。
- ※1空隙の多いモルタル。保水性が高い。
本工法とセメントモルタル工法の比較
一般的にブロックを敷設する際には、地面に砕石などを敷いて路盤※2を施工し、その上に砂を敷いて平坦にした後にブロックを敷設する方法が採られていますが、大雨が降ると傾斜の急な場所などは砂が流出したり、車両の走行等によって、不陸(凸凹)が発生するケースがあります。
そのため近年は、砂の代わりにセメントモルタルを使って不陸の発生を防ぐセメントモルタル工法も登場していますが、セメントモルタル層を設けることで、白華現象(はっかげんしょう)※3が発生し、ブロック表面に白い汚れが発生することがありました。また、ヒートアイランド対策として保水性ブロックを使用した場合は、ブロックの空隙にセメントの石灰分が詰まってしまい、保水効果が減少する恐れがありました。
本工法は、石灰分を含むセメントを使っていないため白華現象を生じず、保水性ブロックの効果を維持することができ、長期間に渡って工事当初の美観を保つことも可能です。
- ※1道路の舗装表面と路床との間に設ける砕石・砂利・砂などの地盤。
- ※2セメントに含まれている石灰分が表層に現れる現象。
既に本技術を国内2か所で適用しており、今後は高い意匠性が求められる美術館周辺や高級住宅街などの道路を中心に、新築・リニューアルを問わず提案していきます。
従来工法との比較(本工法の特徴)
砂を使った場合との比較 | セメントを使った場合との比較 |
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敷設方法
- ①砕石(路盤)を敷き、転圧して平坦にする。
- ②砂にポリマー(結合剤)を加えて撹拌し、多孔質ポリマーモルタルを製造。
- ③砕石の上に、製造した多孔質ポリマーモルタルを敷き均す。
- ④ブロックを敷設し、転圧を行って平坦にする。
市場規模
舗装に用いるコンクリートブロックの一種であるインターロッキングブロックの市場規模は、2012年は約286万㎡。(一般社団法人インターロッキングブロック舗装技術協会より)歩道・自転車道と広場での使用が約80%。