地震時の室内の揺れをシミュレーションし、CG動画で表示するパソコンツール「TAFT®」を開発~建物の耐震性能に関するお客様との合意形成に活用~

2014年5月20日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:宮下正裕)は、建物の階数や構造種別などの基本データ、および地震動の種類や大きさをパソコンに入力・選択するだけの簡便な操作で、地震時の室内の揺れの状況を推定・評価し、CG動画で表示するツール「TAFT®(TAkenaka Furniture Teller)」※1を開発しました。
従来、建物の耐震性能は構造体の安全性を中心に考えられることが一般的でした。加えて、東日本大震災以降はBCP(事業継続計画)への対応もあり、構造体の安全性のみならず室内の地震被害低減に対する関心がより一層高まっています。「TAFT®」はこうしたニーズに応えるために開発したもので、地震時の室内の状況を可視化することにより、建物が地震の際にどのように揺れるのかを視覚的に理解することが可能となります。
入力データは、建物の階数、階高、構造種別(鉄骨造、鉄筋コンクリート造など)、構造形式(耐震/制震/免震)、地盤種別(硬さ)、地震動の種類と大きさ、居室のタイプ(オフィス/病室/ダイニングルーム)、の7項目です。地震動は設計用模擬地震動や過去の実地震動の中から選択しますが、お客様のご要望に応じて追加することもできます。
開発に当たっては、実大家具の振動台実験結果をもとに家具と床の間の摩擦係数や家具の衝突時の反発係数などを細かに設定し、シミュレーション精度の向上を図りました。

  • ※1関連特許出願済
データ入力画面
データ入力画面

当社では、お客様に建物の耐震性能を分かりやすく説明するための補助ツールとして、「TAFT®」を積極的に活用していきます。建物に付与すべき耐震性能についてのお客様と当社の円滑な合意形成やBCP策定に役立てることにより、当社設計・施工の建物に対するお客様満足度の向上に繋げていきます。