平成26 年度(第77 期)中間決算概要 及び 当期業績見通し

2014年8月29日
株式会社竹中工務店

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、政府による経済政策の効果等により、企業収益や設備投資の持ち直しがみられるほか、個人消費についても堅調に推移し、景気は緩やかな回復の動きが続いています。
建設業界においては、公共投資、民間設備投資共に増加基調にあるものの、急激な需給バランスの変化による労務需給逼迫の深刻化や、建設物価の高騰が継続して事業収益を圧迫し、経営環境は依然として厳しい状況で推移しました。
このような状況下において、当社グループは経営理念である「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」を基軸とした品質経営と企業体質の強化を第一義とする健全経営に徹し、お客様指向の徹底、法令・社会規範の遵守、安全管理面の徹底と品質力の強化、生産原価の低減等により業績の向上に努め、受注高、売上高、売上総利益ともに前中間連結会計期間に比して増加しました。
当中間連結会計期間における当社グループの連結業績は、売上高が前中間連結会計期間比4.6%増の5,175億円余、損益面では、建設事業において工事収益が改善に向かったことから、営業利益が109.3%増の120億円余、経常利益が45.2%増の141億円余、中間純利益は98.7%増の98億円余となりました。

当中間連結会計期間における当社グループの連結業績(連結法41 社+持分法19 社=計60 社)及び当社単体の業績は以下のとおりです。

1.中間決算概要

(1)総括

連結、単体ともに増収・増益
主たる項目の実績額と前中間期増減率の状況は下表の通り。

  • ※1実績額欄は完工利益率を記載している。
  • ※2次期繰越工事高については、前期末増減率を記載している。

(2)主要項目別の概要

① 受注高:

  1. 連結は対前中間期比で32.8%、単体は同36.4%の大幅増
  2. 海外建設工事の受注高(本邦含む)は、対前中間期比106.5%増の1,318 億円、建設受注高(連結)に占める割合は6.8 ポイント上昇の19.8%

(単体)
堅調に推移した受注環境の下で国内建設受注高が増加(対前中間期比19.4%増)、これに海外大型工事の受注が加わり、受注高全体では対前中間期比36.4%増の5,684 億円となりました。(建設受注高が中間期で5,000 億円を超えるのは2008 年[5,590 億円]以来6期振り)

(連結)
国内建設受注高の増加(対前中間期比24.7%増)に加え、単体の海外大型工事の受注が大きく影響し、全事業では対前中間期比32.8%増の7,033 億円となりました。(連結受注高が中間期で7,000 億円を超えるのは2007 年[7,304 億円]以来7期振り)

② 売上高:

  1. 連結、単体ともに増収
  2. 開発事業を含む海外事業の売上高は、対前中間期比1.6%減の739 億円、売上高(連結)に占める割合は0.9 ポイント下降の14.3%

(単体)
建設受注高の増加傾向を受け完成工事高が増加、売上高全体では対前中間期比4.6%増の4,044 億円となりました。

(連結)
単体の増収に加え、(株)竹中土木を中心に国内建設子会社が対前中間期比20.3%増の634 億円となったことなどにより、全事業では対前中間期比4.6%増の5,175 億円となりました。(連結売上高が中間期で5,000 億円を超えるのは2010 年以来[5,498 億円]4期振り)

③ 売上総利益:

  1. 連結、単体ともに増益

(単体)
労務費の上昇・資材価格の高騰が続いているものの、建設事業の業績回復に向けた全社的な取り組みにより採算悪化に一定の歯止めがかかり完成工事利益率が改善、同利益は対前中間期比16.0%増の231 億円(同利益率は0.6 ポイント上昇の5.9%)となりました。その結果、売上総利益は対前中間期比9.4%増の274 億円となりました。

(連結)
建設事業は、単体の増益に加え、(株)竹中土木を中心に国内建設子会社の完成工事利益が大きく増加したことにより、前中間期から19.4%増の332 億円(同利益率は0.9ポイント上昇の7.0%)となりました。その結果、売上総利益は対前中間期比15.6%増の411 億円となりました。

④ 営業利益:

  1. 連結、単体ともに増益

(単体)
完成工事利益率が改善し同利益が増加したことにより、対前中間期比114.3%増の60億円となりました。

(連結)
単体の増益に国内建設子会社及び海外開発子会社の増益が加わり、対前中間期比109.3%増の120 億円となりました。

⑤ 経常利益:

  1. 連結、単体ともに増益

(単体)
為替差損の発生などにより営業外損益が前中間期から17 億円減少したものの、営業利益の増加により、対前中間期比21.8%増の83 億円となりました。

(連結)
単体同様、営業利益の増加により、対前中間期比45.2%増の141 億円となりました。

⑥ 中間純利益:

  1. 連結、単体ともに増益

(単体)
対前中間期比17.2%増の46 億円となりました。(売上高中間純利益率は1.1%)

(連結)
対前中間期比98.7%増の98 億円となりました。(売上高中間純利益率は1.9%)

2.当期業績見通し

当期(平成26年12月期)の業績見通しは以下の通りです。

国内建設市場は、政府による経済政策の推進により公的需要は増加し、企業業績の改善を背景に民間需要にも増加の傾向が見られ、また2020年東京オリンピック・パラリンピック開催決定による経済効果もこれらの傾向の押し上げ要因となっています。一方で、急激な需給バランスの変化による労働力不足は深刻さを増しており、人件費上昇や資材価格高騰により、建設業の経営環境は依然として厳しい状況が続いております。海外では新興諸国の一部には成長に減速傾向もみられるものの、依然として都市・インフラ建設や国内製造業の海外拠点の建設需要は底堅く推移し、経済のボーダレス化や企業のグローバル化の進展に伴い、高度な建設ソリューションを世界各地で安定的に供給することが求められています。
このような状況下において当社グループは、市場競争力と収益力の強化により建設事業の業績安定化を果たし、またグループの各事業間の緊密な連携と経営資源の有効活用により、社会やお客様の期待にグローバルなスケールで応えるために幅広いソリューション力を備えていく考えであります。

(1)連結業績

(2)単体(個別)業績