超低着床型工事用エレベーターを開発・実用化~搬入作業の省力化、効率化および安全性の更なる向上を目指す~
2015年6月16日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:宮下正裕)とサノヤス建機㈱(社長:藤岡和紀)は、工事中に作業に当たっての移動や資材の運搬等に用いる工事用エレベーターについて、新たに超低着床型工事用エレベーター(特許出願済)を共同開発し、実用化しました。
従来の工事用エレベーターは、地上から搬器の着床位置までの高さが概ね1.5~2mで、人の移動や資材の運搬等には、別に仮設の昇降ステージや搬器の着床部の下にピットを設ける必要がありました。新たに開発した工事用エレベーターは、地上から搬器の着床位置までの高さが300mmです。高さを抑えることで、搬入作業の省力化、効率化と安全性の向上が図れ、既に実プロジェクトにも採用しました。当社調べでは、300mmを実現したのは、昇降速度が毎分10mを超える工事用エレベーターでは国内初となります。
近年、工事においては、省力化・省人化が求められていますが、当社では機械化技術の開発・活用も積極的に推進しています。今後も当社では、工事用エレベーターをはじめとする機械化技術の開発を進め、採用を拡大していくことで、施工計画の幅を広げ、省力化・省人化、揚重作業における安全性の更なる向上を図っていきます。
超低着床型工事用エレベーターについて
従来の工事用エレベーターは、搬器が下がった際でも地上から1.5~2mと着床位置が高くなり、フォークリフトなどを使用して直接積み込みをすることができないため、余計に時間や労力を要するという問題点がありました。着床の位置が高くなってしまう要因として、駆動モーターの位置や搬器下部構造の形状の他、扉が上下に開閉することが挙げられます。
当該機は、これに対処するために、カウンターウェイトが補助しながら下扉が上扉を持ち上げる、上開き2枚扉へ改良しました。
また扉開時に搬器と床先の隙間を埋める、踏み板も、扉の動きと連動して動作するよう、改良しました。改良により最低着床高さを極限まで下げたことで、搬器に直接搬入が可能となり搬入、揚重の効率化と安全性を高めることができます。
超低着床工事用エレベーターの概要
- (1)工事用エレベーターとしては国内初の低着床300mmを実現
- (2)上記の低着床を実現するために、上方向2枚扉を採用
- (3)上方向2枚扉に連動する踏み板を搭載
- (4)寸法…幅4,200mm×奥950mm×高2,130mm
- (5)搬器上部に駆動モーターと連結シャフトを搭載
サノヤス建機㈱と特許共同出願済
従来機の扉開閉機構
超低着床を実現した工事用エレベーターの扉開閉機構