蝶々形ブロックを組み上げた耐震補強壁~建物を稼働させながら耐震改修可能な「エストンブロック®」の適用が7万個突破~
2015年7月30日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:宮下正裕)は、RC造(鉄筋コンクリート造)建物に蝶々形のブロックを積み上げて耐震補強壁を築く「エストンブロック工法」(特許出願済)を2014年7月に開発しプロジェクトに適用してきました。このたび耐震改修に向けた本工法の適用件数が16件に拡大、エストンブロックの適用個数が7万個(=約5,000m2)を突破しました。本工法は建物の稼働を止めることなく工事が可能なことから、2013年11月に施行された「改正耐震改修促進法」で耐震改修が急務になったホテルや病院だけでなく、オフィスや工場、店舗など様々な用途の建物に適用が拡大しています。特に、工事中の水の使用や騒音・粉塵の発生を嫌う場合や施工時間帯に制約がある場合に効果を発揮します。
従来、RC造建物の耐震補強をする場合、新築時とほぼ同様の作業工程によりRC壁や大型の鉄骨ブレースを設置する工法が多く用いられてきました。そのため、施工に伴う騒音・振動・粉塵の発生、大型部材の搬入やそれに伴う養生のため、工事階が使用できなくなることも少なくありません。本工法は、補強壁の設置場所に大人一人で持ち上げ可能な小型のプレキャストブロックを搬入し、組み上げていく工法です。資材の搬入による影響が少なく、騒音や粉塵の影響を最小限に抑え、建物を稼働させながら工事を行うことが可能です。
当社では今後も、建物の安全性を高める、“居ながらできる”工事の可能な耐震技術として適用件数の更なる拡大を目指します。
- ※尚、当該工法の適用につきましては、建物の耐震性能・構造の現状を調査した上でご提案させていただきます。
「エストンブロック工法」の詳細については以下をご覧くだい。
https://www.takenaka.co.jp/news/2014/07/05/index.html
エストンブロックの概要
デザイン性 | セメントに顔料を混ぜ、豊富なカラーのブロックが制作可能です。形状と色使いの工夫により、レンガ調などデザイン性の高い耐震壁の設置が可能です。 |
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強度 | 高層RC造建物などに使用される60N/㎟の高強度コンクリートを使用することで、耐震性を確保しつつ壁の厚みを減らすことができます。また、蝶々形の形状によりブロック同士が噛み合う力が発生し、横ずれが発生することなく効率的に地震力を伝達させます。 |
概要 | ブロックサイズは現在3種類です。基本は標準タイプを使用。階高あるいは柱の間隔が大きい場合など、壁の強度が通常よりも必要とされる場合、高耐力タイプを使用します。寸法的に制約を受ける場合は、標準タイプの奥行を30mm 薄くし、120mmにしたものを使用します。 サイズ: 標準タイプ 399×150×199mm(横×奥行×高さ) 高耐力タイプ 299×250×149mm 重さ: 約18㎏(両タイプとも) |