平成27 年度(第78 期)中間決算概要 及び 当期業績見通し
2015年8月28日
株式会社竹中工務店
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、政府による経済政策の効果等により、企業収益の改善や設備投資の持ち直しがみられるほか、個人消費についても持ち直しの兆しがみられ、景気は緩やかな回復基調が続きました。
建設業界においては、公共投資が緩やかな減少傾向にあるものの、企業業績の改善に伴って、民間設備投資も高水準を維持し、経営環境は堅調に推移しました 。
このような状況下において、当社グループは経営理念である「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」を基軸とした品質経営と企業体質の強化を第一義とする健全経営に徹し、お客様指向の徹底、法令・社会規範の遵守、安全管理面の徹底と品質力の強化、生産原価の低減等により業績の向上に努め、受注高については前中間連結会計期間に比して減少したものの、売上高、売上総利益は増加しました。
当中間連結会計期間における当社グループの連結業績は、売上高が前中間連結会計期間比16.2%増の6,016億円余、損益面では、建設事業において工事収益が改善に向かったことから、営業利益が前中間連結会計期間比118.3%増の263億円余となりました。経常利益は営業利益の向上により前中間連結会計期間比123.0%増の314億円余、中間純利益は前中間連結会計期間比122.4%増の219億円余となりました。
当中間連結会計期間における当社グループの連結業績(連結法40 社+持分法18 社=計58 社)及び当社単体の業績は以下のとおりです。
1.中間決算概要
(1)総括
連結、単体ともに増収・増益
主たる項目の実績額と前中間期増減率の状況は下表の通り。
- ※1実績額欄は完工利益率を記載している。
- ※2次期繰越工事高については、前期末増減率を記載している。
(2)主要項目別の概要
①受注高:
- ・連結は対前中間期比で8.1%、単体は同11.0%の減
- ・海外建設工事の受注高(本邦含む)は、対前中間期比43.3%減の747 億円、建設受注高(連結)に占める割合は7.1 ポイント下降の12.7%
(単体)
受注環境は堅調に推移しているものの、前中間期に受注した大型海外工事の反動により、海外建設受注高が大幅に減少(対前中間期比58.4%減)し、建設受注高も減少(同14.3%減)しました。受注高全体では対前中間期比11.0%減少の5,057億円となりましたが、前中間期に引き続き5,000 億円を超えました。
(連結)
単体の海外建設工事の反動減により、全事業では対前中間期比8.1%減の6,463 億円となりました。
②売上高:
- ・連結、単体ともに増収
- ・開発事業を含む海外事業の売上高は、対前中間期比33.5%増の987 億円、売上高(連結)に占める割合は2.1 ポイント上昇の16.4%
(単体)
建設受注高が堅調に推移している影響で完成工事高が増加、売上高全体では対前中間期比14.1%増の4,613 億円となりました。
(連結)
単体の増収に加え、建設子会社が増収となったことにより、全事業では対前中間期比16.2%増の6,016 億円となりました。(連結売上高が中間期で6,000 億円を超えるのは2008 年[6,752億円]以来7期振り)となりました。
③売上総利益:
- ・連結、単体ともに増益
(単体)
売上高の増加に加え、建設事業の利益安定化に向けた全社的な取り組みにより完成工事利益率が改善し、同利益は対前中間期比55.7%増の360 億円(同利益率は2.2ポイント上昇の8.1%)となりました。その結果、売上総利益は対前中間期比47.8%増の405 億円となりました。
(連結)
建設事業は、単体の増益に加え、子会社が総じて増益となったことにより、前中間期から43.4%増の477 億円(同利益率は1.6ポイント上昇の8.6%)となりました。その結果、売上総利益は対前中間期比37.9%増の566 億円となりました。
④営業利益:
- ・連結、単体ともに増益
(単体)
完成工事利益率が改善し、同利益が増加したことにより、対前中間期比199.8%増の181 億円となりました。
(連結)
単体の増益に子会社の増益が加わり、対前中間期比118.3%増の263 億円となりました。
⑤経常利益:
- ・連結、単体ともに増益
(単体)
営業利益の増加に加え、受取配当金や為替差益の発生などにより営業外損益が前中間期から25 億円増加し、対前中間期比174.0%増の230 億円となりました。
(連結)
対前中間期比123.0%増の314 億円となりました。
⑥中間純利益:
- ・連結、単体ともに増益
(単体)
対前中間期比214.0%増の145 億円となりました。(売上高中間純利益率は3.2%)
(連結)
対前中間期比122.4%増の219 億円となりました。(売上高中間純利益率は3.6%)
2.当期業績見通し
当期(平成27年12月期)の業績見通しは以下の通りです。
国内建設市場は、企業業績の改善に伴って設備投資に緩やかな回復の傾向がみられ、公的需要も高水準で推移しており、また2020年東京オリンピック・パラリンピックへの期待や、都市部での再開発事業の進展、防災意識の高まりなどもこれらの傾向の押し上げ要因となっています。一方で、急激な需給バランスの変化により、収益面では改善の方向にあるが、労働力不足の慢性化による人件費の高騰など予断を許さない状況が続くことが予想されます。
海外では、東南アジアをはじめとする新興諸国では依然として都市・インフラ建設等の建設需要は底堅く推移しています。
このような状況下において当社グループは、市場競争力と収益力の強化により建設事業の業績安定化を果たし、またグループの各事業間の緊密な連携と経営資源の有効活用により、社会やお客様の期待にグローバルなスケールで応えるために幅広いソリューション力を備えていく考えであります。
(1)連結業績
(2)単体(個別)業績