「WAVY®-air」の適用によりデザイン性、省エネを兼ねた耐震壁配置が可能に~孔開き波形鋼板耐震壁(WAVY®-air)を国内初適用~
2015年11月10日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:宮下正裕)は、立命館大学大阪いばらきキャンパス(大阪府茨木市:2015年竣工)にて孔開き波形鋼板耐震壁(WAVY®-air特許出願済)を国内初適用し建築デザイン、省エネと融合する構造計画としました。
竹中式波形鋼板耐震壁工法(WAVY®)の孔開き波形鋼板耐震壁(WAVY®-air)は、当社が2012年1月に一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得した耐震壁工法です。WAVY®-airでは9φ、11φの孔を開口率約30~50%確保し、採光性・通風性を確保し、そのまま仕上げ材とすることが可能となりました。
合理的に耐震性能を確保するためには適宜耐震要素を配置する必要があります。フレキシビリティを要求される建物には、内部側に耐震要素を設けることができず、外部側に配置する必要があります。しかし、耐震壁を配置すると採光性等が確保できなくなります。そこでWAVY®-airの採用により、外部側に耐震要素を配置することが可能となりました。
WAVY®-airを用いた日射コントロールシステム※概要
WAVY®-airでは採光性・通風性を確保し、そのまま仕上げ材とすることが可能なため、メインファサードのような建物外部側に配置することが可能です。本建物の外装には下図に示すシステムを採用しており、ガラスサッシ、断熱障子、WAVY®-airの3層複合構成となっており、季節の気候に応じて利用者自ら温熱環境を調整できます。WAVY®-airにより、このシステムの開発が可能となり、メインファサードのデザインを向上し、省エネルギーと融合する構造計画の開発を行いました。熱負荷への効果としてガラス単板比44%削減、複層ガラス比17%削減、年間CO2排出量を約770t削減することに成功しました(計画時)。
- ※「孔開き金属パネルを配置した窓際の日射コントロール技術」特許出願中
学舎棟東面は、①ガラスサッシ、②断熱障子、③WAVY®-airで構成されます。
①外装ガラス窓に組込まれた換気口と、②断熱障子の位置を、季節に応じて操作することで、良好な熱環境をつくりだすことができます。
日射コントロールシステム概要
学舎棟 レイアウト(6階)
建物概要
建物名称 | 立命館大学大阪いばらきキャンパス 学舎棟 |
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建築主 | 学校法人 立命館 |
建物用途 | 大学 |
階数 | 地上9階・塔屋1階 |
建物高さ | 39.50m |
建築面積 | 13,460m2 |
延床面積 | 62,033m2 |
構造種別 | 鉄骨造 |
建物竣工年 | 2015年 |
設計・監理 | 株式会社竹中工務店 |
基本設計 | 株式会社山下設計 |
施工 | 株式会社竹中工務店 |