「耐震市松®」の技術評定を取得~耐震性と美観を両立させた「耐震市松®」がより採用しやすい工法に~
2016年7月6日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:宮下正裕)は、耐震性だけでなくデザイン性にも優れた「耐震市松®」について一般財団法人ベターリビングの技術評定を2016年3月24日に取得しました。
「耐震市松®」は、複数のせん断パネルを市松状に配置して、層間に生じるせん断力を伝達させることのできる鋼板耐震壁の総称で、耐震壁・鉄骨ブレースに比べ、開口率・美観・採光通風面に優れ高いデザイン性を有する、新しいタイプの耐震改修技術です。加えて、壁面は棚としての利用や、緑化などの自由な壁面装飾なども可能です。これまで、建物ファサードなど意匠的な配慮が必要となる場合の耐震補強工事で複数採用されていますが、技術評定を取得したことでさらに採用しやすい工法となりました。
「耐震市松®」は、せん断パネルの枠材への固定方法によって2種類のタイプがあります。
- ・美観に優れた溶接接合タイプ「W(Weld)タイプ」
- ・施工性に優れたボルト接合タイプ(特許出願済)「B(Bolt)タイプ」
Wタイプ施工例
Bタイプ施工例
施工性を重視したBタイプには、下記のような特長があります。
- ・構成材が人力で持ち運び可能なサイズ・重量であり、EVで搬入できるため、様々な箇所へ設置できます。
- ・わずかなスペースでも組み立て可能で溶接不要のため、居ながらできる※耐震補強として、お客様の業務などへの影響を最小限にとどめることができます。
- ※当該工法の適用については、建物の耐震性能と構造の現況を調査した上で提案させていただきます。
南海地震・東南海地震など、巨大地震の発生が懸念される中、短期間で、既存建築物を耐震化することが急務となっています。「耐震市松®」の技術評定取得により、適用建築物が建築物耐震評価を受ける際の審査が簡略化されるため、審査期間の短縮が可能となり耐震補強完了までの工期短縮につながります。
技術評定取得後の「耐震市松®」初適用物件が、3月に着工しました。通常であれば耐震部材を配置しにくい建物ファサードに「耐震市松®」を配置し、バランスよく耐震性を向上させています。
技術評定取得後の耐震市松適用プロジェクト
建物名称 | 高松信用金庫本店 |
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建築主 | 高松信用金庫 |
建築地 | 高松市 |
建物用途 | 銀行 |
階数 | 地下2階・地上8階・塔屋2階 |
建物高さ | 43.00m |
延床面積 | 5,162.06m2 |
構造種別 | 鉄骨鉄筋コンクリート造+鉄筋コンクリート造 |
建物竣工年 | 1968年 |
耐震改修設計・監理 | 竹中工務店 |
耐震改修工事施工 | 竹中工務店 |