「三宮プラザビル」の氷蓄熱空調システム更新にコンパクト型アイスジェネレーターを導入~中央熱源方式の氷蓄熱空調システムの更新性を飛躍的に向上~
2016年7月8日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:宮下正裕)は、当社が所有する「三宮プラザビル(1994年竣工)」の氷蓄熱空調システム更新において、モジュール対応※1のコンパクト型熱回収式空冷ヒートポンプアイスジェネレーター(以下コンパクト型アイスジェネレーター)を採用しました。
中央熱源方式の氷蓄熱空調システムの冷凍機は、屋上や地下など搬出入が困難な場所に設置されることが多く、巨大なクレーンや専用に設置した搬出入用開口を用いて搬出入を行っていましたが、今回、熱源更新にあたって、氷蓄熱空調システムを継続して利用したいという当社のニーズに合致する、エレベータでも搬入可能で高効率なモジュール対応のコンパクト型アイスジェネレーターを導入しました。
従来機に比べて更新性が飛躍的に向上し、搬入のコストダウンが図れるシステムの採用により、多くのストックを抱える時代の、多様なニーズに対応していきます。
コンパクト型アイスジェネレーターの特徴
- (1)更新性が飛躍的に向上
小型機器のモジュール対応により構成されており、巨大なクレーンや搬出入用開口を用いた搬出入が不要です。超高層ビルや建物周囲に巨大クレーンの設置場所がない場合などでも、容易な更新が可能となります。 - (2)エレベータ搬入が可能
ビル用マルチエアコン15HP型の室外機と製氷機とで構成されており、分割時の寸法は最大寸法で、幅1150mm、奥行き1215mm、高さ1950mm、重さ360kgであり、エレベータにも積載可能です。エレベータが設置階にない場合でも、階段での搬入やクレーンの小型化が可能です。 - (3)モジュール対応により立体配置が可能
モジュール対応により、室外機と製氷機を上下に設置し、設置面積の最小化を図ることも可能です。 - (4)他に類のない4つのモードで冷熱・温熱を取出し
製氷、冷水、温水、同時(熱回収)のモードがあり、多様な空調ニーズに対応します。特徴的な製氷モードでは、シャーベット状の流動性の高い氷を連続的に生成し、氷蓄熱槽へ搬送して蓄熱します。冷房空調時は、熱源機を稼働することなく氷を溶かしながら氷蓄熱槽内から低温度の溶液を取り出して空調を行うことも可能です。シャーベット状の氷は融けやすいため負荷追従性が高く、夜間に蓄氷した氷を急速放熱することも可能です。 - (5)機器効率の向上
マイクロチャンネル※2の採用により製氷時のCOP※3(機器効率)を向上させ、省エネルギー化を図っています。 - (6)夜間電力を有効に利用
夜間電力を利用して蓄熱し昼間放熱することで、デマンドレスポンス※4対応やネガワット取引※5など、時代のニーズに応変に対応します。
- ※1モジュール対応:小型機器を連結して大容量とすること
- ※2マイクロチャンネル:微細加工技術などを使って加工した狭隘な流路のこと
- ※3COP:Coefficient Of Performance、成績係数、冷房機器などのエネルギー消費効率の目安として使われる係数
- ※4デマンドレスポンス:電力の使用抑制を促し、ピーク時の電力消費を抑え、電力の安定供給を図る仕組みのこと
- ※5ネガワット取引:電力量の削減分を売買する取引形態
更新工事の建物概要
建物名称 | 三宮プラザビル |
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建築主 | 竹中工務店 |
建築地 | 神戸市中央区磯上通7-1-5 |
建物用途 | 事務所 |
階数 | 地下2階・地上12階・塔屋1階 |
構造種別 | 鉄筋鉄骨コンクリート造、鉄骨造 |
建物高さ | 45.675m |
設計・監理 | 竹中工務店 |
施工 | 竹中工務店 |
竣工年月 | 1994.9 |