平成28年度(第79期)決算概要 及び 次期業績見通し

2017年2月28日
株式会社竹中工務店

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の改善や設備投資の持ち直しの動きに足踏みがみられるほか、個人消費が停滞するなど弱さもみられましたが、景気は緩やかな回復基調が続きました。
建設業界においては、公共投資・民間設備投資ともに底堅さを維持し、経営環境は堅調に推移しました。
このような状況下において、当社グループは経営理念である「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」を基軸とした品質経営と企業体質の強化を第一義とする健全経営に徹し、お客様指向の徹底、法令・社会規範の遵守、安全管理面の徹底と品質力の強化、生産原価の低減等により業績の向上に努め、受注高、売上高については前連結会計年度に比して減少したものの、売上総利益は増加しました。
当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高が前連結会計年度比5.3%減の1兆2,165 億円余、損益面では、建設事業において工事利益が改善に向かったことから、営業利益が913億円余(前連結会計年度比52.6%増)となりました。経常利益は営業利益の向上により935億円余(前連結会計年度比36.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は固定資産売却益等により614億円余(前連結会計年度比39.2%増)となりました。

当社においては、売上高は前事業年度比5.4%減の9,554 億円余、営業利益が794 億円余(前事業年度比69.9%増)、経常利益が817 億円余(前事業年度比49.3%増)、当期純利益は530億円余(前事業年度比60.2%増)となりました。

当連結会計年度における当社グループの連結業績(連結法43 社+持分法19 社=計62 社)及び当社単体の業績は以下のとおりです。

1.決算概要

(1)総括

連結、単体ともに減収・増益

主たる項目の実績額と前期増減率の状況は下表の通り。

  • ※1実績額欄は完工利益率を記載している。
  • ※2次期繰越工事高については、前期末増減率を記載している。

2.次期業績見通し

次期(平成29年12月期)の業績見通しは以下の通りです。

国内の建設市場は、足元の設備投資に足踏みがみられるものの、都市部での再開発事業の進展や防災意識の高まりも要因となり、民間需要は全体として底堅く、概ね堅調に推移する一方で、慢性的な労働力不足の懸念など予断を許さない状況が続くと予想されます。
海外では、中国をはじめとする新興諸国の景気減速不安に加え、米国や欧州における今後の政治体制への不安から、先進国においても景気の先行きは不透明な状況にあるものの、都市・インフラ建設等の建設需要は東南アジアを中心に引き続き底堅く推移しています。
このような状況下において当社グループは、市場での競争力と収益力の強化により建設事業の業績の安定化を果たし、またグループの各事業間の緊密な連携と経営資源の有効活用により、社会やお客様の期待にグローバルなスケールで応えることができる幅広いソリューション力を備えていく考えであります。

(1)連結業績

(2)単体(個別)業績