CLTパネル工法で「竹中研修所 匠(たくみ)」の増築に着手~木質系構造採用により、「清和台の森」と共生する研修所を実現~

2017年9月22日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:宮下正裕)は、宿泊室を含む研修施設のキャパシティ増大を図ることを目的に、兵庫県川西市に所有する「竹中研修所 匠(たくみ)」の増築工事に着手しました。
当プロジェクトで新たに建設される増築棟は、当社で初めて地上躯体すべてに国産杉材のCLT(直交集成板)パネル工法※1を採用し、外装にも地域産の国産材を用いることで、緑豊かな自然景観と調和する建築を目指すとともに、人材育成、技術伝承の場である研修所として、当社の「匠の心=棟梁精神」を受け継ぐ木造建築を実現します。
また、CLTパネルをすべて工場で生産・加工することで、省人化・短工期化などの生産性向上を図ります。

「清和台の森」にたたずむ竹中研修所 匠 左:既存研修所 右:増築部分
「清和台の森」にたたずむ竹中研修所 匠 左:既存研修所 右:増築部分

CLT壁パネルの梁形や垂壁をなくすことで、床から天井までの大開口を実現し、「清和台の森」に開かれた宿泊室とします。また、CLT床パネルをはね出すことで、大開口への日射を遮る庇とし、宿泊室内外部に連続するCLT天井を実現するとともに、外観に陰翳のある表情をつくり出します。
二重床内に設備を集約し、内装に接合金物が一切見えないよう工夫することで、天井・内壁の大部分をCLTの素地仕上げとし、木の温もりに包まれた空間を実現します。

CLTパネルの素地を生かした宿泊室
CLTパネルの素地を生かした宿泊室

増築工事概要

建築地 兵庫県川西市
敷地面積 79,889.76m2 (24,167坪)
建築面積 328.9m2 (増築部)
延床面積 1,209.2m2 (増築部)
構造規模 W(CLT)+RC造  B1F 3F
工期 2017年8月中旬~2018年2月末
増築施設内容 ① 宿泊室 30室  (既設30室⇒ 60室へ増設)
② オフサイト・ミーティングスペース(懇親会場)
③ エレベーター(1基)
④ 収蔵庫

今回の増築にあわせ、既存施設の研修室や食堂の改修も行う予定です。

  • ※1 CLTパネル工法について
    CLT(Cross Laminated Timber:直交集成板)は、丸太から伐り出された板を各層互いに繊維が直交するように積層接着させた木質建材です。耐力、寸法安定性が高く、軽量かつシンプルな接合により施工性が高く工期短縮が可能です。
    また、高い断熱性による省エネ効果もあり、間伐材や伐採適齢期を迎えたスギ等国産木材の有効活用につながる新建材として今後の採用拡大が期待されています。
    2016年4月の建築基準法告示により、告示に基づく構造計算を行うことにより、大臣認定を個別に受けることなく建築確認により建築が可能となり、国土交通省、林野庁が普及推進しています。