DALIセンサー連携空調換気制御を共同で開発~「コイズミ緑橋ビル」の省エネ制御システムとして導入~
2017年10月31日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:宮下正裕)は、コイズミ照明(社長:梅田照幸 大阪市中央区)と共同でDALI※1センサー連携空調換気制御を開発し、当社が設計施工した「コイズミ緑橋ビル(2017年竣工)」に導入しました。これは、照明用の人感センサーを用いて、照明だけでなく空調換気まで制御する、より省エネルギーなBA※2システムです。従来は、このようなシステムを構築するためには、中央監視盤を設置することが主流でした。本計画では、市販の空調集中コントローラを応用することで、簡易なシステム構築を実現し、これにより、従来は難しかった中小規模ビルにおける省エネ制御システムの導入が、容易なものとなりました。中小規模ビルは全ビル棟数の大多数を占めており、より省エネ性能に優れた中小規模ビルの全国的な普及促進に貢献します。
「コイズミ緑橋ビル」では、オープンプロトコルであるDALIを軸に照明制御を行っています。DALIは照明以外のBAシステムとの親和性が高いという特長があり、DALIで用いているマルチセンサー(人感+照度センサー)を空調集中コントローラと接続することで、ビル用マルチエアコンおよび全熱交換器の省エネ制御システムを構築することが可能となりました。さらに、空調集中コントローラにて空調換気機器の監視制御だけでなく、照明調光調色制御、ブラインド制御やキュービクル、エレベーター等各種設備の警報監視も可能としています。
上記の事例は、過度な投資を必要としない中小オフィスビルにおいて波及性のある事例として評価され、平成27年度第2回サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)の中小規模建築部門に採択されました。
DALIセンサー連携空調換気制御の概要(コイズミ緑橋ビルの場合)
- (1)通常時の設定照度を500lx、空調設定温度を冷房時26℃/暖房時22℃とします。※3
- (2)制御ゾーン内のセンサーが全て不在を検知すると、照明を100lxに減光し、冷暖房設定温度の2℃緩和(冷房時28℃/暖房時20℃)および全熱交換器の停止を行います。
- (3)(2)の状態から、制御ゾーン内のセンサーの何れかが在室を検知すると、照度および冷暖房設定温度を通常時の設定値に戻し、全熱交換器を運転再開します。
- ※1DALI:Digital Addressable Lighting Interfaceの略。照明調光制御に特化した国際規格
- ※2BA:Building Automationの略。
- ※3設定照度、設定温度は任意に変更可能です。
DALIセンサー連携制御システム構成図
建物概要
建物名称 | コイズミ緑橋ビル |
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建築主 | 小泉産業株式会社 |
建築地 | 大阪市東成区東中本2-3-5 |
建物用途 | 事務所 |
階数 | 地上6階・塔屋1階 |
延床面積 | 5225.73m2 |
構造種別 | 鉄骨造 |
建物高さ | 35.628m |
設計・監理 | 竹中工務店 |
施工 | 竹中工務店 |
竣工年月 | 2017.3 |