排水系発生虫を捕獲する「バグキーパーM」を開発~薬剤を使用しない「防虫エンジニアリング」のラインナップを拡充~
2017年11月21日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:宮下正裕)は、食品工場など特に害虫管理の必要性が高い施設の防虫対策として、排水系発生虫の捕獲装置「バグキーパーM」(特許出願済)を開発しました。
「バグキーパーM」は、夜行性昆虫が好む“弱い”紫外線の放射による誘引とファンの吸引により、排水系発生虫を捕獲する防虫設備です。排水設備等から発生する虫の大半を占め、近年発生量が増加傾向にあるチョウバエをターゲットに、薬剤を使用することなく食品工場等での拡散を抑制します。当社技術研究所で行った実証実験では、一晩で約70%の捕獲率を確認しました。
「バグキーパーM」の特徴
- ・LEDによる誘引と、ファンによる吸引捕集を行う排水系発生虫専用の捕獲装置
紫外線LEDにより装置に誘引された虫が、吸引ファンに吸い込まれ、装置内部の捕虫バッグに収集される仕組みです。薬剤を使わず、食品工場で安心して設置できます。 - ・夜間に排水桝上に設置し、発生虫を捕獲
夜行性のチョウバエをターゲットに、夜間の設置を想定しています。強い光を嫌うチョウバエの誘引に最適な“弱い”紫外線を明らかにし、採用しています。 - ・オオチョウバエを用いた実験では、一晩で約70%の捕虫を確認
当社技術研究所で行った実証実験では、一晩で約70%の捕獲率を確認しました。排水系に潜む虫を効果的に捕獲します。
竹中工務店の「防虫エンジニアリング」
近年製品の安全・安心に注目が集まるなかで、異物混入の原因となる建物への虫の侵入には細心の注意が必要です。当社は2001年に防虫研究の専用施設を技術研究所に設置するなど、建設会社としては最も早くから施設の防虫に取り組んできました。
これまでIPM※(総合的病害虫管理)の見地から、人と環境に配慮した防虫技術の開発を進め、飛来虫に有効な「バグキーパー」、歩行虫に有効な「バグバンパー」を開発。更に2013年にはシートシャッターに防虫機能を付加し、左右の開口部の高さに合わせたバグキーパーを内蔵した「バグシールド」を開発し、搬出入口の防虫設備を充実させました。
今般の「バグキーパーM」の開発により、これまで対策が困難であった排水系発生虫についてもラインナップを拡充させました。今後も、当社独自のエンジニアリング技術を適切に組み合わせることで、施設の抱える課題に対して、建築的アプローチから解決策を提供します。
- ※薬剤の使用を極力抑え、多様な防除手段を効果的に組み合わせることによって虫の生息数を許容できる範囲に抑え、衛生的な環境を維持する管理手法。