“新しい未来をつくる人”を育てる「深江竹友寮」の建替に着手

2018年3月26日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:宮下正裕)は、阪神・淡路大震災を乗り越え「深江」の地で57年間の歴史を刻むとともに、当社従業員の精神的原点となっている深江竹友寮(ふかえちくゆうりょう:神戸市東灘区深江北町)の建替工事に着手しました。
当プロジェクトは、寮生同士の対話を通じた交流を促進することにより、“新しい未来をつくる人“を育てる教育寮の建設を目指しています。同寮の伝統であった相部屋方式を発展させた平面計画によって、建物全体をシェアしながらの寮生活がチームワークの醸成を促し、当社の伝統的精神の継承に寄与していくと考えています。

深江竹友寮の完成予想パース
深江竹友寮の完成予想パース

全ての寮室を個室とし、10室をひとまとまりの「クラスター」として、中央に共有のリビング(クラスターリビング)を配置しています。また、共用部に配置されたキッチンやトイレや洗面といったユーティリティ-をシェアすることで、自然と寮生同士が顔を合わせる機会を増やす様に配慮しています。

交流を促進させるプランニング
交流を促進させるプランニング

地域の防災拠点にもなる最上級の安全技術「THE免震ワイドレンジシステム」起用

当社で初めて免震構造に起用する、「THE免震(Takenaka Highgrade Earthquake resistant system)ワイドレンジシステム(THE免震:商標登録出願済)」を採用し、中大地震時については、摩擦弾性すべり支承が機能することで建物を長周期化し、地震力を低減、巨大地震時には、すべり機構付き鉛プラグ入り積層ゴム支承「QTB」(当社・オイレス工業(本社:神奈川県藤沢市、社長:飯田昌弥)共同開発)も併せて機能することで、積層ゴムの損傷と建物に加わる地震力の増大を防ぎます。それらにより、寮生の生活を確実に守り、地域の防災拠点にもなる最上級の安全性を実現します。

「THE免震ワイドレンジシステム」の構成
「THE免震ワイドレンジシステム」の構成

日本初 集合住宅版「WELL Building Standard」の取得を目指す

心身の健康と豊かな生活環境を実現する「健築®」の取り組みの一環として、日本初となる集合住宅版「WELL Building Standard」の取得を目指します。こうした取り組みにより寮生自身が寮生活を通じて、環境に対する感度を高め、能動的に環境づくりに取り組んでいく意識を育てることが、新しい未来の創造につながると考えます。

  • WELL Building Standard(WELL認証)

アメリカDELOS社による認証制度で、LEEDやCASBEEの評価尺度である環境・エネルギー性能に加えて、健康や快適性(ウェルネス)に焦点を当てた世界初の建物・室内環境評価システム。空気・水・栄養・光・フィットネス・快適性・心の7領域・100項目で建物及び室内環境を評価し、必須項目・選択項目でのポイント数に応じてプラチナ・ゴールド・シルバーの認証が付与される。

“新しい未来をつくる人”を育てる教育寮

「深江竹友寮」は、当社の新社員全員が生活を共にする「相互研鑽の場」として「心と技術を錬成すること」と「豊かな共感性を培うこと」を担ってきました。建替え後も、新社員は、1年間寝食を共にしながら、ローテーションにより2~3つの部門を経験し、さまざまな実務研修を受けることになります。また、この期間は同期生の間はもとより、配属される部門を基点に、さまざまな人的ネットワークを形成する重要な期間でもあります。これらは、各人のキャリアの基盤となり、当社の総合力、人材力の礎となっています。
当社の歴史と伝統を受け継ぎ、多様な人材の人間形成・キャリア形成の場となるべく“新しい未来をつくる人”を育てる教育寮を実現してまいります。

計画概要

建築地 神戸市東灘区深江北町
建築面積 2,460m2
延床面積 6,203m2
構造/階数 RC,S,SRC(免震)/ F3
工期 2018年4月~2019年7月
施設内容 寮室・ホール・食堂
設計・施工 竹中工務店