海外プロジェクトで当社設計施工による初の免震建物が完成~ブリヂストンのインドネシア・カラワン工場の新事務所棟に中間階免震構造を適用~
2018年9月26日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:宮下正裕)は、ブリヂストングループのインドネシア・カラワン工場の新事務所棟において、中間階免震構造(柱頭免震)を適用しました。当社の設計施工の海外プロジェクトにおいては、初めての免震建物となります。
2018年8月より新事務所において本社機能の運用が順次開始されております。
インドネシア、台湾、トルコなど地震多発地域においては、持続的な経済・社会発展のための地震防災が課題となっています。こうしたなかで、当プロジェクトは当社の日本国内の豊富な実績に基づく免震技術を、現地の条件に即した合理的な設計、高い施工品質など総合エンジニアリング力を活かして、グローバル展開を図る足がかりとなることが期待されています。
また、当プロジェクトでは、モータリゼーションが進むインドネシアにおいて、限られた敷地で従業員および来訪者の駐車スペースを確保したいというお客様のニーズにお応えするため、地下1階の駐車場スペースの柱に免震ゴムを設置する中間階免震構造を採用しました。通常はデッドスペースとなる免震層を駐車場スペースとして有効利用しています。
今後の展開
日本には戸建住宅を除く免震建築物が約4,100棟(2015年末 日本免震構造協会による)あり、その中でも当社はトップレベルのプロジェクト実績があります。当社では、これまでも日系企業の海外拠点に対する既存建物の耐震診断や東南アジア、トルコ等で現地の大学や建設関連会社に向けた日本の地震防災に関する技術セミナーを実施してきました。今後も日系・非日系のお客様に対して、耐震・免震技術を活かした建物受注の強化を図るとともに、海外における設計・エンジニアリングサービスの展開を図り、グローバル規模で建物の安全性向上に貢献していきます。
中間階免震構造の採用
本プロジェクトにおいては、中間階免震構造を採用しました。免震ゴムを、地下1階の柱の頂部に設けることで、地震時に上部構造が動いた際にも車や周囲の人に衝突しない様に配慮しています。地震エネルギーを吸収するダンパーが不要となる減衰性の高い積層ゴムで構成された、ブリヂストン社製の高減衰免震ゴムを51基設置しました。
また、免震建物の施工においては、免震ゴム取付部の施工精度やコンクリート充填性の確保が大変重要となります。現地の施工環境や経験を鑑み、最適な材料・工法の選定を行い、現地協力会社とのタイアップによる試験施工の繰り返し、鋼製型枠の利用、サイトPCa化等により、高い施工品質の確保と施工の効率化を実現しました。
プロジェクト概要
ブリヂストングループのインドネシア・カラワン工場は、ジャカルタから東に約70km、日系企業が多く進出するカラワン・スルヤチプタ工業団地の一角に位置します。当プロジェクトでは、約37万m2にも及ぶ広大な既存タイヤ工場(当社設計施工)のなかに点在する管理事務所と、本社機能を新事務所棟として1つの免震構造建物に集約する他、食堂棟やスポーツセンター棟など10棟を建設し、カラワン工場内に新しい機能を増強しました。
地震国インドネシアでは今後免震建物の需要が高まると予想されることから、免震化した事務所棟のエントランスにブリヂストン社製の免震ゴムのショーケース機能も備えました。お客様のブランドイメージをシンボリックに扱う設計コンセプトを、タイヤにちなんで”GRIP ON SYMBOLISM”と名付け、建物全体へ展開しています。
新事務所棟建物概要
建物名称 | PT. Bridgestone Tire Indonesiaカラワン工場 新事務所棟 |
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建築主 | PT. Bridgestone Tire Indonesia |
建築地 | インドネシア |
用途 | オフィス |
設計 | インドネシア竹中 |
施工 | インドネシア竹中 |
構造 | 地上3階地下1階、RC造、一部S造・SRC造 |
延床面積 | 7,744m2 |
工期 | 2016.10~2017.10 |