車両走行可能な高出力振動発電ユニットを開発

2019年6月20日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(本社:大阪市中央区、社長:佐々木正人)は、セイリツ工業(本社:大阪市平野区、社長:保坂登)、湘南メタルテック(本社:神奈川県寒川町、社長:松井康浩)と共同で全国初となる車両走行可能な振動発電ユニット※1を開発(特許出願済み)し、道路埋込型の超省電力LED照明と組み合わせた車両誘導システムを、「サンエー浦添西海岸 PARCO CITY」に初導入しました。
近年、未利用エネルギーの活用技術として、振動により発生するエネルギーを電力に変換して利用する技術が注目されています。従来の振動発電技術としては、空調ダクトなどの微振動を電力に変換し、各種センサー用の電源として利用する技術や、歩行時(軽重量)の振動エネルギーによる発電技術、自動車や鉄道の走行に伴う縦揺れなどの間接的振動エネルギーを利用した発電技術が存在していますが、発電量が小さいため、電力利用の用途が限られていました。本件で開発した振動発電ユニットは、自動車(高重量)の振動エネルギーを直接発電機に伝達することで、高い発電力が可能となりました。この発電ユニットを、商業施設の屋内駐車場車路4か所に配置し、一時停止線上に配置した超省電力LED照明と組み合わせることで、運転者に一時停止を促す車両誘導システムを実現しています。本件で開発した振動発電ユニットについては、従来技術よりも高出力が見込めるため、照明以外にも様々な用途で今後利用が広がっていくと考えています。また、交通量の多い場所へ設置すれば、連続発電が可能となるため、蓄電し、交通量の少ない時間帯に放電を行うことでエネルギーの有効利用も期待できます。さらに、スタンドアロン型発電ユニットのため、送電網が未整備の場所でも使用が可能となり、インフラ整備に関わる省コスト、省人化、省エネルギーに寄与します。上記の技術を採用した「サンエー浦添西海岸 PARCO CITY」は、その他、様々な省CO2への取り組みにより、事業継続性と省CO2を両立する計画が評価され、平成28年度第2回サステナブル建築物等先導事業《省CO2先導型》(国土交通省)の一般部門に採択されました。

  • ※1機械的な応力を加えると、応力の大きさに比例して起電力を発現する逆磁歪材料を利用した発電機

振動発電ユニットと、超省電力LED照明を組合せた車両誘導システム

建物概要

全景写真
全景写真
建物名称 サンエー浦添西海岸 PARCO CITY
建築主 株式会社 サンエー浦添西海岸開発
建築地 沖縄県浦添市
建物用途 商業施設
構造種別 店舗棟:地上6階、駐車場棟:地上7階
延床面積 224,021.71m2
建物高さ 29.65m
設計監理 国建:(建築設計)
竹中工務店:(構造設計・設備設計)
施工 竹中工務店・國場組・大城組・大米建設 特定建設工事共同企業体
工期 2017.7 ~ 2019.4