鉄骨造工場において火気を使用せず耐震補強工事を行う「グットカム™工法」を開発~火気使用にかかる人材や時間を削減し工期短縮と省人化を実現~
2019年7月17日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:佐々木正人)は、鉄骨造の工場において、火気を使用することなく、且つ既設部材を損傷せずに耐震補強工事を可能とする「グットカム工法」を開発し、三菱電機株式会社 稲沢製作所(愛知県稲沢市)の耐震補強工事に適用しました。
耐震補強工事においては、既設建物に補強部材を取り付ける際に、火気を使用して溶接する方法が一般的です。「グットカム工法」は、溶接工事を無くすことで、工事中の火災リスクが少なくなるため、お客様が安心して耐震補強工事を実施できます。また、「厳重な火気養生」、「火気使用時の監視人材」といった溶接工事に付随する作業を簡易化できるため、施工効率が向上し、工期の短縮が可能となります。
当社は今後、溶接作業を避ける必要のある工場の耐震補強工事に本工法を適用していきます。
- ※1火気養生:火災を防ぐため、火気を使用する作業個所の周囲を保護すること。
「グットカム™工法」の特長
- ・既設のガセットプレートの両側を支圧プレートで挟み込み補強部材を取り付けるため、溶接作業が不要になるとともに、既設の部材に損傷を与えない。
- ・建物に地震による揺れの力が生じたとき、既設建物のガセットプレートが、支圧プレートとの接触部分(図3の部分)を押すことにより、補強部材に地震力が伝達される。
- ・鉄骨工事についての工期を約30%短縮、作業にかかる人員を約40%削減可能。
「グットカム™工法」の構成
- ①既設トラス梁下弦材のダブルアングルの隙間に、一対の支圧プレートを既設ガセットプレートを挟み込むように差し込む。
- ②固定プレートにより支圧プレートを保持した後、スペーサーでトラス梁下弦材のアングルを挟み込んで、支圧プレートの鉛直方向のずれ防止を図り、連結アングルで、一対の支圧プレートの一体化を図る。
- ③既設トラスに取り付けた支圧プレートと補強部材のガセットプレートをボルトで固定することにより、補強部材の取り付けが完了する。
適用プロジェクト概要
プロジェクト名 | 三菱電機株式会社 稲沢製作所 耐震補強工事 |
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建築主 | 三菱電機株式会社 |
建築地 | 愛知県稲沢市 |
構造 | 鉄骨造 (トラス梁を持つ平屋工場) |
工期 | 2018年8月~2026年12月 |
設計・施工 | 竹中工務店 |