HoloBuilder（ホロビルダー）社と日本の建設市場に向けた技術開発で連携～360°写真の活用で生産性向上を目指す～

竹中工務店（社長：佐々木正人）は、建設業におけるイノベーションをさらに加速するために、米国シリコンバレーのスタートアップであるHoloBuilder, Inc.（社長：Mostafa Akbari-Hochberg、以下HoloBuilder社）と技術開発の連携を開始します。

HoloBuilder社は、建設現場で撮影された360°写真を整理・共有するクラウドサービス「HoloBuilder」を開発し提供しているスタートアップです。360°写真は撮影した場所周辺の様子まで記録できるので建設現場の状況がよくわかり、さらに遠隔地のプロジェクト関係者とも共有できるのでコミュニケーションの円滑化に役立っています。また、定期的に建設現場を撮影することにより、工事記録アーカイブとして建物の保守運用においても活用が見込まれます。

当社は、HoloBuilder社との連携によって既に世界中の建設現場に展開されている「HoloBuilder」を日本の建設業への適合性を高める技術開発に取り組みます。まずは、AI画像認識機能の性能向上のため、日本の建設現場の環境に適合した画像認識モデルに改良し、工事種別を360°写真から推定するなど、工事進捗管理の高度化に役立てる計画です。また、建設現場内で稼働するロボットやドローンを用いて自動巡回撮影した画像を、「HoloBuilder」のクラウドで共有するなど、当社開発のシステムや他のスタートアップが開発したシステムとの連携機能を開発します。さらに、BIM※モデルと現場写真をリンクして工事進捗管理・検査業務を効率化するなど、多様な技術を共同で開発し、建設現場の生産性向上を目指します。

建設業では、就労者の高齢化に伴う就労人口減少などの社会的背景を受け、将来の担い手確保や働き方改革の実現が喫緊の課題となっています。こうした中、AIや施工ロボットやIoTを活用した建設工事を支援する技術に着目しています。
当社はこれまでに、米国シリコンバレーの拠点を中心にグローバルに先端技術を探索してきました。400社を超える海外スタートアップとの協業を検討し、約30社との試行に取組み、技術を実践的に導入しています。HoloBuilder社との協業検討を2018年3月から開始し、他社類似技術の試行も行った上で、現在では８カ所の当社現場で「HoloBuilder」を試験的に導入しています。実際のユーザーからも好評を得ていることから、さらに活用を深めるべく、このたびの連携に至りました。
当社は今後も、社会や建設業界の課題解決に寄与するスタートアップと連携することで、より迅速に技術開発を進め、社会へ貢献することを目指します。