建設現場をIoT化するプラットフォーム「TSUNAGATETM」を開発建設現場とクラウドをつなぎ、省人化・生産性向上を目指す
2020年6月9日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:佐々木 正人)は、建設現場をIoT化するプラットフォーム「TSUNAGATE(ツナゲート)」を開発しました。
「TSUNAGATE」は、インターネット接続を可能にした仮設分電盤を介し、建設現場にネットワーク(無線LAN)環境を構築することで、様々なICTツールをクラウド管理システムにつなげて一括管理することができるプラットフォームです。
通常、建設現場では、仮設電源線によって工事用電力を供給していますが、仮設電源線を用いて通信を行うことができる「TSUNAGATE」を適用することで、ネットワークカメラやデジタルサイネージなどのICTツールのために個別に通信用配線を用意する必要がなくなります。また、それらのICTツールの一括管理、照明の遠隔制御、センサー情報の収集など、建設現場におけるIoT化の実現を可能にします。
なお、「TSUNAGATE」は、当社独自のIoT分電盤とカディンチェ(株)※1のクラウド技術の連携により実現したものです。
当社は今後、「TSUNAGATE」シリーズのラインアップを拡充し、建設現場におけるIoT化による省人化・生産性向上を目指します。また、日建リース工業(株)※2をはじめとするレンタル会社による建設業界への展開を行い、どの建築現場にも適用できる体制づくりを進めます。
「TSUNAGATE」の概要
「TSUNAGATE」は、建設現場において、様々なICTツールをクラウド管理システムにつなげて一括管理することができるプラットフォームです。インターネット接続が可能な仮設分電盤「TSUNAGATE BOX」を設置すると、自動的に建設現場内にネットワーク(無線LAN)環境が構築されます。この仮設分電盤にはIoT端末(パソコン)を搭載しており、照明、デジタルサイネージ、センサーなどを制御する機能をインストールすることができます。
さらに、IoT端末が、「TSUNAGATE BOX」を集中管理する専用クラウドシステム「TSUNAGATE CLOUD」に繋がることで、建設現場内の全ての仮設分電盤にインストールした機能を、建設現場の職員、作業員がPCやモバイル端末で一括監視・制御することが可能となります。
「TSUNAGATE BOX」について
当社が2017年に開発した電力線通信(PLC)※3のフィルター技術によって、仮設分電盤を介したIoT環境の改善を実現しました。開発当時は、仮設分電盤内にPLCアダプター、Wi-Fiアクセスポイント、ノイズ対策用フィルターなどをそれぞれ設置する必要がありましたが、このたびあらかじめ機器を内蔵したオールインワン構造とすることで、機器設置の手間を省きました。
「TSUNAGATE CLOUD」について
「TSUNAGATE CLOUD」は、建設現場に配置された「TSUNAGATE BOX」にインストールした機能を監視・制御するシステムです。クラウド上に構築されているため、建設現場の「TSUNAGATE BOX」をwebブラウザ経由で遠隔地から集中管理することができます。
「TSUNAGATE」を活用した事例「TSUNAGATE VIEW」
「TSUNAGATE VIEW」は、電力線通信(PLC)を活用し、カメラを天井に設置して仮設電灯に繋ぐだけで、周囲360度の映像を取得して「TSUNAGATE CLOUD」に保存するシステムです。建設現場内に複数設置することで、視点と日時を変更して現場内を見渡すことができる「バーチャル現場巡回」を実現しました。これにより、従来のネットワークカメラと比較して、約20%のコスト削減につながると試算しています。