「ECM®カラーコンクリート」を開発、初適用―高い発色性能を持ち環境負荷低減を実現するコンクリート―
2020年12月10日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:佐々木正人)は、美観に優れたコンクリート「ECM®カラーコンクリート」を開発、桜スタジアムプロジェクト選手入場口の躯体部分に初適用しました。
カラーコンクリートとは、コンクリートに無機顔料の粉末を混ぜることにより、コンクリートそのものに色をつけたコンクリートです。これまでに当社の設計施工物件でも数件採用してきました。
コンクリートに様々な色を着色する場合に問題となるのが、普通ポルトランドセメント自体の色(灰色)により色粉の発色性が低下することです。
そのためこれまで採用してきたカラーコンクリートの色は、美術館でのブラックコンクリートなどの比較的暗い色のものであり、ピンクや黄色などの明るい色には普通ポルトランドセメントを用いたカラーコンクリートの適用は困難とされてきました。
そこで、今回の開発では、コンクリートのセメントにECM®セメントを採用することにより、発色性を高め、明るい色のカラーコンクリートを可能にしました。ECM®セメントは白色の高炉スラグ微粉末60%~70%を含み、普通ポルトランドセメントと比較して発色性が高い特徴を持ち、環境負荷も低減できます。また、従来のカラーコンクリートに使用が適していると考えられたホワイトセメントを用いたコンクリートと比較して、経済性も向上することができます。
- ※ECM®(Energy・CO2 Minimum)セメント:鉄鋼製造の副産物である高炉スラグを主体とする、セメント生産におけるエネルギー消費量と二酸化炭素(CO2)排出量を従来のセメントよりも6割以上削減するセメント
工事概要
建物名称 | 桜スタジアムプロジェクト |
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建築地 | 大阪市東住吉区長居公園1-1 |
建築主 | 桜スタジアム建設募金団体 社団法人セレッソ大阪スポーツクラブ |
建物用途 | 観覧場 |
階数 | 地上5階(メインスタンド) |
構造種別 | スタンド:鉄筋コンクリート造、屋根:鉄骨造 |
工期 | 2019年7月~2021年3月 |
設計 | IAO竹田設計(意匠)、竹中工務店(構造・設備) |
監理 | IAO竹田設計(意匠・構造)、竹中工務店(設備) |
施工 | 竹中工務店 |