オフィスビルストック再生のモデルケース「竹中セントラルビル サウス」開業~「ビルコミ®プラス」を実装し、成長するスマートビルに改修~

2022年10月12日
株式会社竹中工務店
株式会社アサヒファシリティズ

竹中工務店(社長:佐々木正人)と建物管理を行う竹中工務店グループのアサヒファシリティズ(社長:岡崎俊樹)は、グループ会社7社の拠点を集約した「竹中セントラルビル サウス」を10月3日に開業しました。
本プロジェクトでは、1999年に竣工した築23年の既存オフィスビルを、近年の脱炭素に対する社会的要請や働き方の多様化に伴うテナントニーズの変化に対応したスマートビルに改修しました。改修にあたっては、当社開発の「ビルコミプラス」を軸とする建物の脱炭素化・運用管理に関わるソリューション技術を盛り込んでいます。竹中工務店とアサヒファシリティズは、「竹中セントラルビル サウス」を様々な先端技術と共に成長し進化するスマートビルと位置付け、関連する技術の開発と実践を継続的に展開し、オフィスビルストック再生のモデルケースとして提案していきます。

ビルコミプラスについて

クラウド型の建物OSである「ビルコミ®」に、環境の変化・技術変革に即応する「IoTセンサーネットワーク」、拡張性・選択性のある「ファシリティメニュー」、ユーザーの利便性を追求した「アプリメニュー」を加えて構成されたスマートビル実現のためのソリューションパッケージ技術です。ビル設備を更新することなくソフトのアップデートのみで、建築・設備システムの運用性能を高めていくことが可能です。

ビルコミプラス

本プロジェクトでは、オフィスビルストック再生のモデルケースとして、以下の3つに焦点をあてた改修を実施しました。

  1. 運用段階でさらなる脱炭素化が推進可能なオフィスビル
    「外装の高性能化」「高効率熱源の導入・照明のLED化」「外気導入量制御」「太陽光発電の導入」「自然換気の導入」を行うことにより、CO2排出量を既存建物の改修前実績値から約50%削減する予定です。また、建物運用開始後も、ビル設備データをビルコミプラスと接続することで、さらにCO2排出量を削減することを目指しています。
建物のライフサイクルCO2
  1. 成長するスマートビルの開発・実証の場
    ビルコミプラスを活用し、運用時のCO2排出量低減や建物管理業務の生産性向上を目指して関連技術の開発・実証を行います。
  1. ビル設備データをはじめ、AI技術を適用した全方位カメラの画像解析情報(人の位置情報、着衣量などを認識)や環境センサーなどの運用時データを活用し、「ファシリティメニュー」として空調吹出口・自然換気口の自動開閉制御を導入します。将来的には画像解析情報をさらに活用することで、視環境・温冷感に配慮した照明・空調制御の実証も視野に入れています。
  2. 建物管理業務においても、AI・IoT・ロボットを活用して設備管理・警備・清掃などの業務生産性の向上を図るとともに、今後増加するスマートビルへの対応を視野に入れた新しい建物管理サービスの構築と提供に活用していきます。また、建物内にはアサヒファシリティズによる次世代の建物管理のモデルとなる拠点を設置しており、先進的な建物管理を実践していきます。
集中管理センター
集中管理センター
  1. 入居各社の交流を促進する共用部を備えたオフィスビル
    建物内部においては、新たに設置した階段によって各階を歩行動線で「つなぎ」、様々なテーマの共用部を結節点に設けて入居各社を「むすぶ」ことを計画しました。入居各社の新たな接点を生み出し一体感を醸成することで、連携・交流を促進し創造性を高めるオフィス空間を目指しています。
吹抜に新たに設置した階段
吹抜に新たに設置した階段

建築概要

所在地 江東区新砂1丁目3-3(住居表示)
用途 事務所
階数/構造 7階建/鉄骨造
延床面積 12,695.47㎡(改修後)
設計・施工
(改修)
竹中工務店
改修工期 2021年9月~2022年7月
既存建物竣工 1999年
竹中セントラルビル サウス


関連ソリューション

都市OSとデータ連携が容易な建物OS「ビルコミ®」を開発し、高機能なスマートビルを実現します。



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