2022年度(第85期)決算概要 及び 次期業績見通し
2023年2月27日
株式会社竹中工務店
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策と経済活動の両立が進む中、企業収益及び個人消費は持ち直しの動きがみられましたが、ウクライナ情勢の長期化や急速な円安の進行により、供給制約と物価上昇が続き、依然として不透明な状況にありました。
建設業界においては、公共投資は堅調に推移し、民間投資も企業の業績改善により持ち直しつつある一方で、資材価格の急激な高騰と担い手不足の影響を受け、経営環境は厳しい状況が続きました。
このような状況下において、当社グループは経営理念である「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」を基軸とした品質経営と企業体質の強化を第一義とする健全経営に徹するとともに、抜本的生産性向上と働き方改革の実現を目指しながら、建設事業の高度化と開発事業の収益基盤拡大等の活動を推進しました。
当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高が1兆3,754億円余(前連結会計年度比9.1%増)、損益面では、工事利益が減少したことなどから、営業利益が283 億円余(前連結会計年度比38.9%減)となりました。経常利益は393 億円余(前連結会計年度比31.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は302 億円余(前連結会計年度比23.1%減)となりました。
当社においては、売上高が1兆428億円余(前事業年度比5.4%増)、営業利益が121億円余(前事業年度比64.5%減)、経常利益が273 億円余(前事業年度比39.8%減)、当期純利益は248億円余(前事業年度比23.4%減)となりました。
当連結会計年度における当社グループの連結業績(連結法50社+持分法13社=計63社)及び当社単体の業績は以下の通りです。
1.決算概要
連結、単体ともに増収・減益
主たる項目の実績額と前期増減率の状況は下表の通り。
- ※1実績額欄は完工利益率を記載している。
- ※2次期繰越工事高については、前期末増減率を記載している。
2.次期業績見通し
次期(2023年12月期)の業績見通しは以下の通りです。
新型コロナウイルス感染症対策と経済活動の両立により国内景気が回復基調にあるものの、円安や国内外のサプライチェーンの混乱、ウクライナ情勢など、世界的な経済・社会情勢を引き続き注視する必要があります。国内建設市場は、公共工事、民間工事ともに概ね堅調に推移しているものの、資材価格の高止まりや需給逼迫による建設コストの増加により、厳しい経営環境が続いており、早期かつ適切な対策が必要な状況にあります。国内開発事業においては、入国制限の緩和に伴う宿泊需要の高まりが期待される一方、オフィス空室率の上昇及び賃料の下落は継続しており、今後も長期的に影響を受ける可能性があります。
このような状況下において、当社はグループ全体で多岐にわたる専門性と技術力、マネジメント力を発揮できるよう、人材・技術・デジタル化推進・脱炭素社会実現に向けた取り組みなどへの必要な投資を進めることで経営資源を強化・拡充し、社会とお客様にとって最良のパートナーを目指します。激しい環境変化に対して柔軟に対応しながら、揺るぎない経営理念のもとにサステナブル社会の実現に向けて今後も事業の推進に取り組んでまいります。