CO2削減と生産性向上に寄与するコンクリート床の仕上げ機械「防音カバー付き電動ハンドトロウェル」を開発建設RXコンソーシアムによって生み出された初の技術成果

2023年7月20日
株式会社竹中工務店
鹿島建設株式会社

竹中工務店(社長:佐々木正人)と鹿島建設(社長:天野裕正)は、両社が参画する建設RXコンソーシアム(会長:村上陸太、以下、RXコンソ)※1のコンクリート施工効率化分科会※2の活動を通じて、CO2削減と生産性向上に寄与するコンクリート床の仕上げ機械「防音カバー付き電動ハンドトロウェル」を開発しました。本機は、RXコンソの分科会でスタートした技術開発として初の成果となります。
従来のハンドトロウェルはガソリンエンジンで駆動するものが主流であり、閉塞空間で使用する際は大がかりな換気設備が必要です。また、エンジンの駆動音が大きく、騒音に対する配慮も必要です。一部には電動モーターで駆動する機種もありますが、電源として有線ケーブルが必要なことや、バッテリーを使用した場合にはパワー不足による作業効率の悪化などの課題がありました。
今回開発した「防音カバー付き電動ハンドトロウェル」は、パワー不足を解消して作業効率を向上するために、高出力のモーターを使用したバッテリー交換が容易なパワーユニットを搭載しています。さらに、防音カバーを取り付けることで、使用時に発生する騒音を従来機の90dB(至近での犬の鳴き声の音量)から60dB(日常会話レベルの音量)程度に低減することができます。そのため、市街地での夜間作業にも使用可能となり、工期短縮に寄与します。また、ガソリンを使用しないため排出ガスはゼロとなります。このため、トロウェル1台あたり1日の使用で、およそ23㎏のCO2削減にも寄与する、環境への配慮も兼ね備えた機械です。
今後は、両社の現場における採用を推進するとともに、RXコンソ参加企業間での共有と普及を図り、コンクリート工事における諸課題の解決に貢献していきます。
なお、本機の製作元は友定建機・AJ Tech JAPANで、RXコンソ会員企業であるアクティオ(社長:小沼直人)を通じて2023年3月からレンタルを開始しています。

防音カバー付き電動ハンドトロウェル・防音カバーを外した状態

防音カバー付き電動ハンドトロウェルの仕様

電動ユニット GXE2.0H
最大出力 1.8kw 3600r.p.m
バッテリー持ち時間 30分~1.5時間
(外気温等条件による)
(バッテリーは複数用意し、交換対応可)
寸法 L1860×W793×H690㎜
重量 82㎏
  1. ※1建設RXコンソーシアムは、建設業界が抱える就労人口の減少、生産性・安全性の向上などの諸課題の解決に向け、施工ロボットやIoTアプリ等の開発と利用に係るロボティクストランスフォーメーション(ロボット変革)を推進すべく設立した民間団体です。
  1. ※2コンクリート施工効率化分科会:参画企業が研究・開発を進めている施工機械についての情報交換、課題抽出、技術開発を実施。この活動を通して、コンクリートスラブの省人化施工を業界全体で実現することを目指す。