世界初、Fc300の超高強度グラウト材を開発・実用化、開放的な眺望などを実現－超高強度極細柱「ペンカラム®」の適用範囲を拡大－

竹中工務店（社長：佐々木正人）は、Fc^※1300の超高強度グラウト材^※2を開発し、「ハレミライ千日前」、「立命館アジア太平洋大学APhouse5」の２件のプロジェクトに適用しました。Fc300の超高強度グラウト材を開発・実用化するのは世界初となります。超高強度グラウト材の開発により、当社が開発した超高強度の極細柱「ペンカラム®」どうしを接合し、建物を支える構造柱として活用することで、開放的な眺望や大空間、実際に使える部屋面積の拡大などを実現することができます。

新開発のグラウト材は、超高強度コンクリートの製造技術を応用したものです。超高強度セメントに充填性の高い材料および流動性を高める新開発の界面活性剤を組み合わせ、高強度と流動性を両立させました。
超高強度グラウト材が充填後に所定の強度を発現するためには、建設現場での加温養生が必要です。そのため、部材寸法などに応じた加温工法を開発し、(一財)日本建築総合試験所の建築材料技術性能証明を取得しました。建設現場における３～7日間程度の加温養生により、確実に強度を発現させることができます。

ペンカラムは、一般的なコンクリートの約10倍の圧縮強度に当たるFc300の超高強度コンクリートを用いることで、一般的なコンクリートで作られた柱と比較して断面積を約10分の1にすることを実現した極細柱です。
これまでエントランスの庇を支える柱など50本を超える適用実績がある一方で、ペンカラムどうしを接合するグラウト材についてはFc150以上の強度を持つものがなく、構造柱として使用することができないという課題がありました。
今回開発した超高強度グラウト材は、ペンカラムと同じ強度を持つため、柱どうしを接合しても接合部が壊れることなく建物を支えることができます。ペンカラムを建物の構造柱として活用することで、開放的な眺望や見通しのよい大空間、部屋面積の拡大などを実現することができます。

当社は今後、ペンカラムと超高強度グラウト材を用いて、集合住宅や病院の高層階の眺望確保、商業施設や文化施設における使いやすく開放的な空間の実現など、お客様に質の高いライフスタイルを提案していきます。また、部材の断面低減による省資源化により、持続可能な建築の実現と環境保護に貢献していきます。