竹中工務店と出光興産が建設系使用済みプラスチックの再資源化に向けた実証実験を開始

2023年10月31日
株式会社竹中工務店
出光興産株式会社

株式会社竹中工務店(以下「竹中工務店」)と出光興産株式会社(以下「出光興産」)は共同で、建設系使用済みプラスチック※1の再資源化(油化ケミカルリサイクル※2)に向けた実証実験を開始します。

当実証実験では、建設現場で発生した使用済みプラスチックの原料化に向けて、竹中工務店が徹底的に分別し、出光興産の子会社であるケミカルリサイクル・ジャパン株式会社が油化ケミカルリサイクル技術を用いて生成油を生産します。出光興産はこの生成油を石油化学製品や燃料油の原料として利用できるかを確認するとともに、再資源化の可能性についても検証します。

将来的には、出光興産の石油精製・石油化学装置を活用し、建設系使用済みプラスチック由来の生成油を原料とした「リニューアブル化学品」や「リニューアブル燃料油」※3の生産を目指します。

当取り組みを通じて目指す姿
当取り組みを通じて目指す姿

建設現場から発生する使用済みプラスチックは、多種多様の端材や解体材が混合状態で発生しますが、一部の建材を除きリサイクルできない塩素を含有するプラスチック建材も多く含まれています。これにより、本来リサイクルできる塩素非含有プラスチックを分別しきれず、廃棄処分されています。
竹中工務店は、出光興産ならびにその子会社であるケミカルリサイクル・ジャパン株式会社と共同で油化に適する使用済みプラスチックを検証し、建設現場で使用済みプラスチックの分別を試行します。これにより、建設系使用済みプラスチックの水平リサイクルを実現し、建設分野でのサーキュラーエコノミー「サーキュラーデザインビルド®」※5の実現を目指します。

出光興産は、2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、2030年ビジョン「責任ある変革者」、2050年ビジョン「変革をカタチに」を掲げています。昨年11月に発表した中期経営計画(対象年度:2023~2025年度) では、「一歩先のエネルギー」「多様な省資源・資源循環ソリューション」「スマートよろずや」の3つの事業領域の社会実装を通して「人々の暮らしを支える責任」と「未来の地球環境を守る責任」を果たしていくことを表明しました。

本取り組みは、3つの事業領域のうち「多様な省資源・資源循環ソリューション」の社会実装に向けた重要な取り組みと位置付けています。

両社は当実証実験を通じて、カーボンニュートラルおよび循環型社会の実現と、建設系使用済みプラスチックの水平リサイクル促進に向けて取り組んでまいります。

  • ※1建設系使用済みプラスチック:プラスチック建材を取り付ける際に発生する端材や、建物を解体する時に撤去したプラスチック建材のこと。
  • ※2油化ケミカルリサイクル:使用済みプラスチックを油化して、生産した生成油を原料に「リニューアブル化学品」や「リニューアブル燃料油」を製造する再資源化の手法。出光興産の以下リリースをご参照ください。
    2023年4月20日付 使用済みプラスチックを原料とした油化ケミカルリサイクル商業生産設備への投資決定について
  • ※3リニューアブル化学品、リニューアブル燃料油:使用済みプラスチックを原料に油化ケミカルリサイクルを行い、生産した生成油から製造された化学品や燃料油のこと。
  • ※4サーキュラープラスチック建材:建設系使用済みプラスチック建材を水平リサイクルしたプラスチック建材のこと。
  • ※5「サーキュラーデザインビルド®」:従来のスクラップ&ビルドから「つくる」・「つかう」・「つなぐ」をキーワードに、サーキュラーエコノミーの概念を採り入れ、廃棄物を出さない竹中工務店が提唱する建築手法。