都市型自動運転船「海床(うみどこ)ロボット」による都市の水辺のイノベーションに関する実証実験を実施~安全管理・舟運事業の立場から実証・検証~

2023年12月14日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:佐々木正人)を代表法人とする海床ロボットコンソーシアム(※1)は、都市型自動運転船「海床(うみどこ)ロボット」の実証実験を12月6日(水)、7日(木)に大阪城公園の東外堀にて実施しました。

  • (※1)海床ロボットコンソーシアム
    株式会社竹中工務店、国立大学法人東京海洋大学海洋工学部清水研究室、株式会社IHI、炎重工株式会社、株式会社水辺総研、新木場海床プロジェクト、一般社団法人ウォーター・スマート・レジリエンス研究協会、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社から成る共同プロジェクト。

「海床ロボット」は、海床ロボットコンソーシアムが開発する純国産制御システムを搭載し、海や運河・河川並びに湖沼などの水面に浮かべた床(3m四方)が自動で動き、離着岸する自動運転船です。
今回の実証実験は、2021年、2022年に大阪城公園の東外堀にて実施した実証実験に引き続き3回目となります。今回は、これまでの試験機をもとに製品化に向けて使い勝手や対候性・防水性能を考慮し、浮体構造の中に電気設備を含めた制御盤やバッテリーを一体型で新たに製作しました。また、特定非営利活動法人大阪水上安全協会による航行を行いました。さらに、海床ロボットが社会実装されることを想定した安全性・操作性の検証に加え、航行にあたってのリスクを想定した保険に関しても検証しています。

大阪水上安全協会が乗船しての実証実験の様子(12月7日)
大阪水上安全協会が乗船しての実証実験の様子(12月7日)

今後の展望

これまでの実証実験で得た結果をもとに、「海床ロボット」を水辺で利活用し、観光事業や都市サービスとして活用できるよう整備を進めます。また、海床ロボットコンソーシアムでは、2025年大阪・関西万博(※2)会期中に会場内外におけるプログラムを計画・協議・推進しており、万博を契機にした海床ロボットの社会実装を目指しています。

  • (※2)「海床ロボット」は、公益社団法人2025年日本国際博覧会協(博覧会協会)と大阪商工会議所の主催する、「2025年大阪・関西万博の会場予定地である夢洲における実証実験の提案公募」に2021年5月に採択されています。

■本実証実験に関してご協力戴いた企業・団体

  1. センティード株式会社(上屋製作協力)
  2. 東京湾マリーナ(開発フィールド提供)
  3. ヨッティングワールド株式会社(フロート提供)
  4. Genius loci & Lighting Design(照明デザイン)
  5. 株式会社 FEELUX JAPAN(照明器具)
  6. 株式会社 岡村造船所(機体製作)

■参考リンク

■プロジェクト背景

日本の都市は水辺(川辺・海辺)を中心に形成されてきましたが、東京・大阪等の大都市も例外ではありません。近年、大都市臨海部は、都市過密化により、交通、物流、環境、防災等の課題が複雑に絡み合っています。こうした課題に対して、人・物の移動を支えるうえで、都市部の低未利用化した水域の活用が重要な糸口になります。
海床ロボットコンソーシアムでは本プロジェクトを通じて、これらの社会課題の解決に向け、都市型自動運転船「海床ロボット」が都市内水域を動き、水辺のさまざまな都市課題を解決し、水辺を変革していく未来を目指しています。