IoT技術で建設現場の騒音・振動計測技術を開発、施工管理業務を効率化-無線型騒音・振動管理システム「DECIBERY」のレンタルを開始-
2024年3月14日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:佐々木正人)、アトムシステム(社長:細野哲也)、キッズウェイ(社長:伴覚守)は、建設現場の騒音・振動をデジタル計測し、無線ネットワークを介してデータをクラウドに送信することで、現場事務所等、どこでもリアルタイムに管理するシステム「DECIBERY(デシベリー)」を共同開発し、5月よりレンタルを開始します。
従来の建設現場における騒音・振動の管理は、敷地境界部に設置したアナログ式の精密な騒音計や公害振動計により計測し、仮囲い等に設置したモニタで計測値を表示することが一般的です。インターネット通信用のルーター等により通信機能を付加することで、遠隔地からの確認やデータの取得も可能ですが、通信環境の構築に費用がかかることから、利用は限られていました。
今回開発した「DECIBERY」は、新開発のデジタル騒音・振動計測センサとIoT通信デバイスから構成されるリアルタイム管理システムです。建設現場に導入しやすいように、アナログ式と同程度の精度を備えながらも安価なデジタルセンサ、多機能なIoT機器を活用し、通信機能を標準搭載しています。
既に、竹中工務店施工中のプロジェクトにDECIBERYを導入し、現場職員がデータ回収に要する時間が不要となること、いつでも、どこでもインターネットで計測値の確認やデータ・帳票をダウンロードできることが確認できました。
DECIBERYは、竹中工務店とアトムシステムが共同開発したデジタルデバイスによる騒音・振動計測機構とクラウド関連システムをベースに、キッズウェイが量産・在庫保有・レンタル展開を担うことで、建設現場へのスムーズな製品提供を可能としています。
今後はレンタル会社や代理店を介して全国の建設会社への提供、普及拡大を図り、施工管理業務の効率化に貢献します。
「DECIBERY」の技術概要
騒音マイクおよび振動センサで騒音レベル(dB)・振動レベル(dB)を算定し、IoT通信デバイスにデータを送信します。
IoT通信デバイスにデータを保存するとともに、LTE通信を介してインターネット上のクラウドにデータを送信します。
クラウドで受信したデータをリアルタイムに現場に設置したモニタや事務所内のパソコンなどに表示するとともに、設定値以上の騒音と振動を予測・検知した場合には現場員や重機オペレータにアラートを送信します。
「DECIBERY」の特長
- ・市販のIoT通信デバイスにより無線ネットワークを構築、半径20mの通信圏内であれば最大8カ所まで同時計測が可能
- ・新開発のデジタルセンサは従来のアナログ機器と同等の計測精度を確保
- ・クラウド上に保存されたデータの閲覧・保存、帳票の自動作成など、遠隔地でも管理業務の遂行が可能
- ・騒音・振動レベルが超過する傾向を予測する機能を搭載
- ・気象などの環境センサやカメラなどの各種デバイスと組み合わせて、現場内の環境全般のモニタリングが可能
- ・APIを介してデジタルサイネージ等の他システムと連動可能
各社の役割
株式会社竹中工務店 :
同社保有の騒音・振動計測に関する基盤技術の活用、センサ類の選定と精度評価、現場適用性評価
株式会社アトムシステム :
クラウド関連システムにおけるソフトウェア等の開発、DECIBERYに関するシステム整備
株式会社キッズウェイ :
DECIBERYに関する量産(設計~製造)・在庫保有、レンタル展開