ECMコンクリート®の適用プロジェクトが100件を突破~適用範囲拡大により使用量32万m3、CO2削減量6万トンに到達~

2024年7月19日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:佐々木正人)は、2014年の開発以来、ECM(エネルギー・CO2ミニマム)コンクリート※1の適用を積極的に進めています。適用範囲拡大の効果もあり、このたび適用プロジェクト数が100件を突破(2024年6月末時点で107件)、コンクリート使用量は計32万m3、CO2削減量は計6万トン(当社試算)に達しました。
材料由来※2のCO2排出量を約6割削減するECMコンクリートは、建物の建設時における環境保全に配慮した低炭素型のコンクリートです。大型プロジェクトの基礎や場所打ち杭などの地下構造物への適用に始まり、近年はFc=60N/mm2程度の高強度コンクリート、外装用プレキャストコンクリート部材などにも適用範囲を拡大してきました。現在、出荷工場は関東・関西圏を中心に日本各地で計100工場を超え、供給体制も整いつつあります。

ECMコンクリート使用量の推移
ECMコンクリートの打設状況

CO2削減に対する社会ニーズの高まりを受け、低炭素型コンクリートの需要は今後もますます拡大していくと考えられます。当社は、今後も環境に優しいECMコンクリート技術の更なる普及と発展に努めるとともに、適用実績を着実に積み重ねてまいります。

  • ECMコンクリート:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクト「省エネルギー革新技術開発事業/実用化開発/エネルギー・CO2ミニマム(ECM)セメント・コンクリートシステムの研究開発」(平成23~25年度)を通じて産学連携で共同開発した低炭素型のコンクリート。当社と鹿島建設株式会社の登録商標
  • 材料由来:コンクリートの構成材料(水、セメント、骨材、混和材など)の製造時に発生するCO2排出量であり、輸送や生コンクリート製造に係るCO2排出量は除く

技術概要

コンクリートの主要な材料であるセメント(普通ポルトランドセメント)は、製造時に石灰石などの原料を高温で焼成するため、多くのエネルギーを必要とするほか、大量のCO2が発生します。セメントの製造にかかるCO2排出量は我が国全体の4%程度を占めており、このセメントを使って大量のコンクリートを使用している建設業界にとって、コンクリート施工に係る低炭素化は極めて重要な課題といえます。
本工法はセメントの6~7割を、鉄鋼製造の副産物であり製造プロセスで焼成が不要な高炉スラグの微粉末に置き換えることで、セメント製造時のエネルギー消費量とCO2排出量を大幅に削減するものです。

ECMコンクリート適用プロジェクト

横浜市役所
2020年1月竣工,B2 F32 P2
場所打ち杭 3,148㎥, 基礎 4,334㎥
日鉄高炉セメント本社
2020年7月竣工,F3
基礎 419㎥
高強度プレキャスト柱2本(Fc:60N/㎟)