2024年度(第87期)中間決算概要 及び 当期業績見通し
2024年8月29日
株式会社竹中工務店
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、物価上昇や円安等の影響により個人消費は足踏みが続く中、企業収益の改善や設備投資の増加などの動きが見られました。一方世界情勢は、国際紛争の長期化や米国金利の高止まりなど依然として不透明な状況が続きました。
建設業界においては、公共投資は底堅く推移し、民間投資も堅調な企業収益等を背景に回復基調にあるものの、資材価格の高騰と労務需給の逼迫による労務費上昇の影響を受け、経営環境は厳しい状況が続きました。
このような状況下において、当社グループは経営理念である「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」を基軸とした品質経営と企業体質の強化を第一義とする健全経営に徹することで業績向上に努めました。その結果、受注高については前中間連結会計期間に比して減少したものの、売上高、売上総利益は前中間連結会計期間に比して増加しました。
当中間連結会計期間における当社グループの連結業績は、売上高が前中間連結会計期間比4.1%増の7,719億円余、損益面では、建設事業において工事利益が改善に向かったことから、営業利益が328億円余(前中間連結会計期間は13億円余の営業損失)となりました。経常利益は前中間連結会計期間比494.3%増の436億円余、親会社株主に帰属する中間純利益は前中間連結会計期間比130.4%増の304億円余となりました。
当社においては、売上高が前中間会計期間比1.5%増の5,764億円余、営業利益が188億円余(前中間会計期間は112億円余の営業損失)、経常利益が305億円余(前中間会計期間は13億円余の経常損失)、中間純利益は前中間会計期間比171.7%増の229億円余となりました。
当中間連結会計期間における当社グループの連結業績(連結法50社+持分法16社=計66社)及び当社単体の業績は以下のとおりです。
1.中間決算概要
連結、単体ともに増収・増益
主たる項目の実績額と前中間期増減率の状況は下表の通り。
- ※1実績額欄は完工利益率を記載している。
- ※2次期繰越工事高については、前期末増減率を記載している。
2.当期業績見通し
当期(2024年12月期)の業績見通しは以下のとおりです。
日本経済は緩やかな回復が継続することが期待されますが、東欧及び中東地域での紛争長期化、為替相場の動向、政府・日本銀行による財政・金融政策の動向等を引き続き注視する必要があります。国内建設市場は、公共工事・民間工事ともに建設需要は概ね堅調に推移しているものの、高止まりの資材価格・労務費の上昇は今後も継続すると思われ、引き続き厳しい経営環境にあります。国内開発事業は、ホテル事業ではインバウンドによる宿泊需要が高まりを見せており、またオフィス事業では大都市圏の平均空室率及び平均賃料は昨年来改善傾向にあります。このような状況下において、当社はグループ全体で多岐にわたる専門性と技術力、マネジメント力を発揮できるよう、人材・技術・デジタル化推進、さらに脱炭素・資源循環・自然共生を統合させた環境戦略により持続的な社会の実現に向け、取り組みに必要な投資を加速的に進めることで経営資源を強化・拡充し、社会とお客様にとって最良のパートナーを目指します。激しい環境変化に対して柔軟に対応しながら、揺るぎない経営理念のもとにサステナブル社会の実現に向けて今後も事業の推進に取り組んでまいります。