2024年度(第87期)決算概要 及び 次期業績見通し

2025年2月28日
株式会社竹中工務店

当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費に持ち直しの動きが見られる中、企業収益、雇用及び所得環境の改善、インバウンド需要の拡大などにより、緩やかな回復基調が継続しました。一方で、世界経済は各地での紛争の長期化による影響などを受け、依然として不透明な状況にありました。 
建設業界においては、公共投資は底堅く推移し、民間設備投資は堅調な企業収益を背景に持ち直しの動きが見られたものの、建設資材価格の高騰と労務費上昇が継続し、経営環境は予断を許さない状況が続きました。 
このような状況下において、当社グループは経営理念である「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」を基軸とした品質経営と企業体質の強化を第一義とする健全経営に徹するとともに、抜本的生産性向上と働き方改革の実現を目指しながら、建設事業の高度化と開発事業の収益基盤拡大等の活動を推進しました。 
当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高が1兆6,001億円余(前連結会計年度比0.8%減)、損益面では、営業利益が531億円余(前連結会計年度比16.3%増)となりました。経常利益は709億円余(前連結会計年度比19.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は561億円余(前連結会計年度比49.9%増)となりました。

当社においては、売上高が1兆2,021億円余(前事業年度比3.9%減)、営業利益が343億円余(前事業年度比7.6%増)、経常利益が512億円余(前事業年度比13.5%増)、当期純利益は458億円余(前事業年度比56.5%増)となりました。

当連結会計年度における当社グループの連結業績(連結法49社+持分法15社=計64社)及び当社単体の業績は以下の通りです。

1.決算概要

連結、単体ともに減収・増益

主たる項目の実績額と前期増減率の状況は下表の通り。

連結、単体ともに減収・増益
  • ※1実績額欄は完工利益率を記載している。
  • ※2次期繰越工事高については、前期末増減率を記載している。

2.次期業績見通し

次期(2025年12月期)の業績見通しは以下のとおりです。

日本経済は緩やかな回復基調にあるものの、欧米諸国の政権交代による政策等の影響や国内外の金融政策動向等を注視する必要があります。国内建設市場においては、公共工事・民間工事ともに建設需要は堅調に推移することが期待されますが、一方で、建設資材価格の高騰と労務費上昇が継続する可能性が高く、予断を許さない状況にあります。国内ホテル市場においては、引き続きインバウンドによる高い宿泊需要が見込まれ、国内オフィス市場では大都市圏の空室率の低下と賃料の上昇傾向が見られます。 
このような状況下において、当社は厳しい業績を見通しておりますが、グループ全体で多岐にわたる専門性と技術力、マネジメント力を発揮できるよう、人材・技術・デジタル化推進、さらに脱炭素・資源循環・自然共生を統合させた環境戦略により持続的な社会の実現に向け、取り組みに必要な投資を加速的に進めることで経営資源を強化・拡充し、社会とお客様にとって最良のパートナーを目指します。激しい環境変化に対して柔軟に対応しながら、揺るぎない経営理念のもとにサステナブル社会の実現に向けて今後も事業の推進に取り組んでまいります。

(1)連結業績

連結業績

(2)単体業績

単体業績