-免制振
ハイブリッド構造-
竹中工務店はこれまで、一般的な免震・制振技術に加え、建物特有の課題を解決するための関連技術を開発してきました。ここでは、その中から2つをご紹介します。
上層階の揺れ=「むち振り現象」をおさえる技術
大きく広がる低層部と、細長い高層部からなる建物では、地震時に上層階ほど揺れが大きくなる「むち振り現象」が起きやすくなります。
「基礎免震×中間階集中制振」で解決
上記のような建物の場合、基礎免震だけでは、上層階の「むち振り現象」を抑えることができません。基礎免震に加えて、中間階に集中制振(制振ダンパー)を設けることで、上層階の揺れを制御できます。
中間階に集中して制振ダンパーを配置するため、ほかの階を最大限に利用でき、執務スペースの動線や眺望を妨げません。
大地震時でも、建物や内外装の損傷を最小限に抑えるほか、什器や設備機器の転倒リスクが低下します。
事例:読売テレビ新社屋
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免震建物に付設するアトリウム屋根の耐震性とデザイン性を両立する技術
アトリウムを有する建物の中間階に免震層を設ける場合、アトリウムは免震層より下にあるのが一般的です。地震時のアトリウムの屋根の揺れを抑えるために、柱や屋根の部材を太くする必要があり、見栄えが悪くなるという課題がありました。
「中間階免震をまたぐアトリウム×追従柱」で解決
アトリウムの柱の上下の端にボールジョイントをつけ、屋根を免震層の上部に連結させます。ボール部分がクルクルと可動することで、ゆっくり大きく動く屋根に柱を追従させることが可能に。柱や屋根の部材を太くする必要がなくなります。また、免震層のレベルによらず、大きなアトリウム空間を設けることが可能になります。
事例:横浜市役所
竹中工務店の免震・制振技術
新しい免震技術の取組みとして、他にも「THE免震 ワイドレンジシステム」があります。
竹中工務店の免震・制振技術について詳しくは、下記のページをご覧ください。
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