免震改修と設備更新を同時に施工する「デュアルローリング工法」を開発~北海道庁本庁舎耐震改修事業にて初採用~

2016年7月4日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:宮下正裕)は、設備機械室フロアにおいて免震改修と設備機械の更新を居ながらにして同時に施工する技術「デュアルローリング工法」(特許出願済・商標登録出願済)を開発し、北海道庁本庁舎耐震改修事業にて初採用しました。
「デュアルローリング工法」は、免震改修と設備更新を個別に実施するに比べ、工期短縮及びコストダウンを図るとともに、設備の全面更新による省エネ化、省スペース化による新たな空間の創出を実現します。
なお当改修工事では、設備機能移転・更新により約30%のライフサイクルコストを削減し、約700m2の倉庫・執務、そして自然光の入る明るい多目的スペースを新たに創出しました。

従来、設備機械室を有する階を免震階とする場合、建物機能を維持しながら免震工事を行うためには、建物周辺に仮設機械室を整備して既存設備機器を一時撤去・移設する必要がありました。
本技術では、設備機械を更新し、新しいスペースに移設した後の空スペースから順番に免震工事を実施します。これにより、建物機能を維持しながら免震化と設備更新を同時に実施することができます。また、免震化工事と設備機械の移転・更新を設備機能ごとに効率よく順次実施することで、それぞれを個別に実施する場合と比べ工期を短縮することができます。
さらに、既存設備機器を高効率・コンパクトな最新の設備機械に更新・機能統合することによりライフサイクルコストを削減するとともに、機械室に新たなスペースを創出することができ、各種用途に活用することが可能です。
なお当プロジェクトの免震改修においては、当社が開発した建物を使用しながら柱ごとに免震装置を設置できる免震装置プレロード工法を採用しています。当工法の特長により自由な順番で工事を進めることが可能となり、設備更新にあわせた最適は工事計画が実現できます。

  1. 免震装置プレロード工法(特許出願済)
    https://www.takenaka.co.jp/news/2012/07/03/index.html

今後は「デュアルローリング工法」を、主にBCPの強化を図る公共建築やオフィスに向けたリニューアル提案の高付加価値モデルとして積極的に提案していきます。

「デュアルローリング工法」の特長

設備機械室を有する階において、免震改修と設備更新を居ながらにして同時に施工することができます。この特長を活用すると、①別々の工事を実施するより工期を短縮することができます。②基礎下免震に比べコスト低減が図れます。③順次工事を行うことで、設備機械を止めることなく、居ながらにして工事を実施できます。

北海道庁本庁舎 建物概要

建築主 北海道
建築地 北海道札幌市中央区北3条西6丁目
用途 庁舎
建築面積 3,585.78m2
延床面積 57,563.21m2
工期 2013.4.15~2016.1.31