快適性と汎用性をそなえた ”普及型ZEBオフィス” が完成~建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)でNearly ZEBを認証取得~
2018年7月23日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:宮下正裕)は、 テイ・エス テック本社(埼玉県朝霞市)のオフィス建物において、快適性と汎用性をそなえた”普及型ZEBオフィス”を完成し、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS※1)でNearly ZEB※2(ニアリー・ゼロエネルギービル)を認証取得しました。
本建物では、汎用性が高くコストパフォーマンスに優れた省エネ技術の最適な組合せによって快適性と省エネ性を両立し、広く展開が可能なZEBオフィスを実現しています。またCASBEE埼玉県でもSランクを取得しています。
2016年11月発効のパリ協定に掲げられた温室効果ガスの削減目標達成に向け、建築物におけるZEB(ゼロエネルギービル)の普及拡大が求められおり、お客様の関心も高まっています。
竹中工務店は、ZEBをより身近なものにし、多くのお客様に提供することで、ZEBの普及拡大に取組んでいます。
本プロジェクトにおけるNearly ZEBへの主な取組み
建築計画では、高さを抑えた横連窓と断熱パネルで南北面を構成し、高い断熱性能と眺望及び採光を両立させました。設備計画では、人の在・不在に応じた照明や空調の細やかな制御や雨水利用による空調の高効率化、太陽光発電等で、様々な働き方に応じて高い省エネ効果が得られるオフィスとしています。
- ※1建築物省エネルギー性能表示制度(BELS):「建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針」(ガイドライン)に基づき、新築・既存の建築物において、第三者評価機関が省エネルギー性能を評価し認定する制度。
- ※2ZEB(ゼロ・エネルギービル)の定義(経済産業省資源エネルギー庁)
※いずれもコンセント負荷を除く数値で評価
Net ZEB:基準一次エネルギー消費量から100%以上の削減かつ再生可能エネルギーを除き50%以上の削減
Nearly ZEB:基準一次エネルギー消費量から75%以上の削減かつ再生可能エネルギーを除き50%以上の削減
背景
パリ協定の日本の約束草案において、2030年度の温暖化ガス削減目標を2013年度比26%削減とする目標が掲げられ、その中で業務その他部門の二酸化炭素排出量は4割削減と設定されました。その方策として、新築建築物・増改築の省エネルギー基準の適合義務化が2017年から施行され、2020年までに新築公共建築物等でZEBを実現、2030年までに新築建物の平均でZEBを実現する政策目標が掲げられており、ZEBの普及拡大が社会ニーズとなっています。
ZEBの普及に向けた当プロジェクトの主なコンセプト
- ①快適なオープンオフィスとアトリウム
外装を高性能断熱パネルと南北の横連窓(南面Low-Eガラス)で構成し、眺望と十分な採光の確保と、高い断熱性能を両立しています。中央のアトリウムのハイサイドライトで自然採光を取り入れ、自然や時の移ろいを感じられるようにしています。敷地内では積極的に樹木を保存した景観計画とし、当社技術であるソトコミ®(※2016年8月2日当社プレスリリース参照)を応用して室内に居ながら屋外の快適度を知らせ、休憩時間等に外に出てリフレッシュできるようにしています。
※参照プレスリリース(https://www.takenaka.co.jp/news/2016/08/01/index.html) - ②最小エネルギーで室内環境を調節
高断熱や外気導入制御、LED照明や昼光制御等により、建物内外からの熱負荷を徹底削減したうえで、スリムな設備容量によってエネルギー消費を最小化し、省エネで省メンテナンスな建物運用を可能にしています。また、屋上に高効率な太陽光発電パネルを設置し、創エネを行っています。 - ③意識せずに省エネ制御
2階のオフィスはオープンフロアとしてオフィスレイアウトの自由度を高め、将来のフリーアドレス設定や様々な場所設定が可能なフレキシビリティを持たせた空間としています。空調・照明はゾーニングを細分化し画像センサにより人の在・不在に応じて空調と照明を自動制御する等、ワーカーが操作せずに省エネが行えます。高効率パッケージ空調等の汎用性の高い省エネ技術によるシンプルな設備システムのため、専門のビル管理者や技術者に頼ることなく省エネ運用が行えるように配慮しています。 - ④ワーカーのエコ意識をアップ
ワーカーに消費電力や発電量のみを表示するのみではワーカーの省エネ行動につなげにくいのが実情です。本プロジェクトでは、エネルギー消費量の目標値を設定し、実績値が目標値を超えた場合にECOサインを点灯させる等、省エネの達成度合いをリアルタイムにワーカーにフィードバックしています。省エネ行動へのはたらきかけとともに、働き方とエネルギーの関係を日頃から意識してもらえるよう工夫しています。
「テイ・エス テック新本社屋」建築概要
建築主 | テイ・エス テック株式会社 |
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建物用途 | 事務所< |
建築地 | 埼玉県朝霞市 |
規模/構造 | 地上3階・棟屋1階 鉄骨造 |
延床面積 | 3,727m2 |
設計・施工 | 竹中工務店 |
工事期間(新築建屋部分) | 2017年5月~2018年3月 |