エネルギーマネジメントシステム「I.SEM®」によるオフィス照明の次世代給電を実現
2019年7月3日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:佐々木正人)は、独⾃開発したエネルギーマネジメントシステム「I.SEM」※1を用いて、オフィス照明への直流給電による次世代給電方式を確立し、BCP対応・デマンドレスポンス・直流給電を組み合わせた「I.SEM+DCPS(Direct Current Powered Systemの略)」を、「栗原工業ビル(大阪市北区)」に初導入しました。
近年、省エネルギーやBCP対策などの目的で、太陽光発電などの再生可能エネルギーと蓄電池を組み合わせたビル用電力需給システムが普及しています。これらの電源は直流電力を供給し、また多くの電気機器は直流電力で動作しています。しかしながら、ビル内の配電網は一般的に交流であるため、「直流→交流→直流」の変換による電力ロスが、これまで生じていました。上述の当社独自技術であるI.SEMは、分散電源であるリユース蓄電池、太陽光発電、電気自動車等の電力を直流電力のまま取り込み、電力自由化に対応したエネルギーマネジメント、エネルギーコストの最小化、再生可能エネルギーの利用、BCP等のための合理的なエネルギー利用を可能とします。今回I.SEMと直流電源対応の照明器具とを組み合わせることで、直流電力を直流のまま給電し従来生じていた変換ロスを定格時約10%低減※2することが可能となりました。上述の照明器具はパナソニックに依頼して新規開発したものを採用しています。また、非常用発電機とも連携可能であり、BCP対応・デマンドレスポンス・直流給電を組み合わせた全国初のシステムを実現しています。
上記の技術を採用した「栗原工業ビル」は、その他、様々な省CO2への取り組みにより、事業継続性と省CO2を両立する計画が評価され、平成29年度第1回サステナブル建築物等先導事業《省CO2先導型》(国土交通省)の一般部門に採択されました。
I.SEM+DCPSの概要
- ※1I.SEM: エネルギーマネジメントのためのソフトシステムと、EVを含む多様な電源を直流で統合して建物に電⼒を供給するハードシステムにより構成される、エネルギーマネジメントシステム。
- ※2太陽光発電から直接照明器具へ給電する場合を想定し、電力の変換回数を低減するとともにSiC素子を用いることにより各変換効率を向上。
交流給電の場合:PV→DC/DC→DC/AC→AC/DC→照明器具
直流給電の場合:PV→DC/DC→DC/DC→照明器具
建物概要
建物名称 | 栗原工業ビル |
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建築主 | 栗原工業株式会社 |
建築地 | 大阪市北区 |
建物用途 | 事務所 |
構造種別 | 鉄骨造 |
階数 | 地上8階・塔屋1階 |
建物高さ | 42m |
延床面積 | 6,546m2 |
設計・施工 | 竹中工務店 |
工期 | 2018.1 ~ 2019.3 |
関連リリース
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建物群の統合制御により電力コストを削減できる電力プログラムを本稼働
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