2棟の免震建物を接続するエキスパンションジョイントの開発~国立循環器病研究センター新築工事に適用~
2019年10月16日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:佐々木正人)は、2棟の免震建物の大振幅変位に追随できるエキスパンションジョイントを開発し、「国立循環器病研究センター新築工事」に適用しました。
免震建物は地震時に大きな変位が生じるため、免震建物間を接続するエキスパンションジョイントに従来工法を採用した場合、室内の有効スペースの確保が困難になることや、床・壁の下地材断面の増加により仕上げコストが増大するなどの課題がありました。
そこで、地震時に2棟間に大きな変位が生じたときにおいても、2棟の中心に常に部材が維持できる機構を適用することで、エキスパンションジョイント部の床・壁を2分割し、支持スパンを2分の1として下地材の重量を減少させ、室内空間の有効スペースを最大化することが可能な新たなエキスパンションジョイント工法(特許出願済み)を開発しました。
本機構は、仕上げ部材を支持する中心フレームと、それを支持する直材フレームおよび斜材フレームで構成されます。直材フレームと斜材フレームにスライド機構を設けることで、地震時に2棟間に大きな変位が生じたときにおいても、中心フレームは常に2棟の中心を維持できます。
本工法は新築建物だけではなく、今後増加すると考えられる既存免震建物に免震建物を増築する場合にも適用可能であり、様々な免震建物に水平展開が可能です。
エキスパンションジョイント部の変形吸収機構
国立循環器病研究センター工事概要
建物名称 | 国立循環器病研究センター |
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建築主 | 国立研究開発法人 国立循環器病研究センター |
建築地 | 大阪府吹田市 |
建物用途 | 総合病院、自然科学研究所 |
構造種別 | RC造、S造 |
階数 | 地下2階、地上10階、塔屋2階 |
延床面積 | 129,881.84m2 |
設計 | 基本設計:佐藤総合計画 実施設計:竹中工務店、日本設計 |
施工 | 竹中工務店 |
工期 | 2016.8 ~ 2019.3 |
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