ロボット施工・IoT分野における技術連携について 建設業界全体の生産性向上や魅力向上を目指し、基本合意書を締結

2020年1月30日
鹿島建設株式会社
株式会社竹中工務店

鹿島建設株式会社(東京都港区、社長:押味至一)と株式会社竹中工務店(大阪府大阪市、社長:佐々木正人)は、建設業界全体の生産性および魅力向上に向け、ロボット施工・IoT分野における基本合意書を締結し、2019年12月から技術連携を進めることとしました。
両社は、「建設RXプロジェクト」チームを立ち上げ、既に開発済み技術の相互利用等に着手しています。今後の技術開発においても、本合意書に基づき積極的に協働を進めるとともに、こうした取組みを広く業界全体に働きかけていくことにより、建設業が抱える諸課題の解決に尽力していきます。

  • RX:ロボティクス トランスフォーメーション
    デジタル変革(DX)になぞらえ、ロボット変革(Robotics Transformation)の意
2社による共同開発
2社による共同開発

背景

建設業では、就労者の高齢化に伴う就労人口減少などの社会的背景を受け、将来の担い手確保や働き方改革の実現が喫緊の課題となっています。こうした中、ゼネコン各社では施工ロボットやIoTを活用した施工支援ツールの開発を進めていますが、実際に使用する協力会社側にとっては、それぞれ異なる操作方法を習得する必要があるなど、負担が大きいことが課題です。また、個社で生産する施工ロボットの台数では、開発コストが回収できるまでの量産は難しく、結果的にロボットの本体価格が高額となり、現場への普及を妨げる要因となっています。

技術連携の目的

両社の技術連携を進めることで、建設業界全体の生産性および魅力向上を推進するための道筋を示したいと考えます。

1.生産性の向上

  1. 類似の技術開発を重複して行っている無駄をなくし、施工ロボットの普及を加速させる
  2. 施工ロボットの普及加速により生産台数が増加し、ロボット本体価格の低下につなげる
  3. 実際に使用する協力会社にとっては操作方法を習得するロボットの数が減るため、生産性の大幅な向上が見込める

2.魅力の向上

  1. 業界内におけるロボット・IoT市場が拡大し、他産業からの積極的な参入が増えることで、建設業自体の業務の幅が拡大する
  2. 生産性向上によるワークライフバランスの向上や処遇改善を実現し、若年層の入職を促進する

具体的な取組み

今後、両社で「機械遠隔操作システム」や「場内搬送管理システム」を共同開発していきます。また、開発済み技術の相互利用として、鹿島建設が開発した「溶接ロボット」や竹中工務店が開発した「清掃ロボット」を両社の現場で活用していきます。なお、適用結果は相互に共有し、さらなる機能向上を図るべく改良にフィードバックしていきます。