伝統建築・歴史的建造物
その棟梁気質とも言うべきものづくり精神の伝統は、400年に及ぶ当社の歴史の中で、建築を文化と捉えて作品主義を貫いてきた、設計施工一貫方式のなかに、いまも脈々と受け継がれています。
江戸時代初期に創業した当社は、現在に至るまで社寺などの伝統建築の設計、施工、また免震・制振技術を駆使した改修等を得意としています。伝統建築分野の技術の継承をより確実なものとし、今後も和風伝統様式の建物の新築、歴史的建造物の保存・修理等を通じて社会に貢献し続けるべく、本社部門及び各エリアの本・支店に在籍する設計者や技術者等を集結して、人材の育成と全社的な組織対応力を強化します。
当社は、この分野における設計施工一貫での施工実績は、ゼネコンでもトップクラスであり、新築、修理・修復のみならず、木造建築の構造特性を高い精度で把握するための構造解析技術や、木造の和風伝統建築の免震・制振技術等による地震対策などの新技術も高く評価されています。
- 設計施工一貫方式とは
古来、棟梁と呼ばれる匠達が企画から設計、施工、アフターケア(修理・保全)までを一貫して受け持つのが一般的でした。当社は、創業以来約400年に亘ってこの精神を受け継ぎ、「設計施工の竹中」として伝統・技術を継承してきました。
歴史的建造物の保存
修理設計:㈶文化財建造物保存技術協会
(2015 群馬県富岡市)
日本近代化の先駆けとなった生糸産業における、日本初の本格的な器械製糸施設です。木骨レンガ造の西置繭所の保存修理事業は、本施設が2014年に世界遺産に登録されて以降、最初に実施される解体をともなう全面的な改修です。素屋根の架設にトラベリング工法を適用したほか、一般客用の見学者施設も設置しています。
歴史的建造物の復元
近代建築の父J.コンドルの代表作である大規模煉瓦造建築を、材料・工法にもこだわって忠実に復元しました。窓枠石・階段の石・マントルピースの保存部材も活用。高層オフィス、商業低層棟との間には緑化広場を設置しました。三菱一号館は美術館として利用されています。
歴史的建造物の再生
設計:新居千秋都市建築設計
(2002 神奈川県横浜市)
『港の賑わいと文化を創造する空間』をコンセプトとし1号館の文化施設に対し、2号館は商業施設として、食文化を中心に多くの人達が憩い楽しむ場として保存活用しています。
伝統建築に活かす現代技術
伝統建築と現代技術の融合ー
古の知恵に学び、新しい伝統建築の提案をします。
伝統建築を守る技術ー
文化遺産を後世に伝えるお手伝いをします。
環境にやさしいエコ技術ー
持続可能な技術を生かした伝統建築を目指します。
特集
古代を読み解く保存修理ー
国宝を最新の構造解析技術により、内倒や垂下などの問題を解決する構造補強を実施しました。
1300年の時を超え、蘇った威容ー
奈良時代の建築をできるだけ忠実に再現するため当時の材料と工法を可能な限り採用しました。
平城遷都1300年記念事業に宮殿建築が復元ー
奈良の都の国家的儀式などが行われた中心的宮殿建築を免震など最新技術で、当時の姿を復元しました。
幕末の箱館にあった奉行所を復元ー
発掘調査・文献資料や古写真を手掛かりとして検証し、可能な限り当時の材料と工法で再現しました。