飛来侵入虫が建物に入る前に除去する「バグフラッシャー」を開発~建物の防虫性能を高める「防虫エンジニアリング」のラインアップを拡充~
2019年6月27日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:佐々木正人)は、食品・医薬品製造施設など特に害虫管理が求められる施設の建物開口部の防虫対策として、ユスリカなどの飛来虫の侵入抑制設備「バグフラッシャー」(特許出願済)を開発しました。
「バグフラッシャー」は、2層の風の流れによって虫の侵入を妨げる“防虫エアカーテン”ですが、シャッター開口前に付近の虫を強力な送風により吹き飛ばす“フラッシング”機能が最大の特徴です。従来の防虫設備「エアフラッシャー」を、ユーザーの意見をもとに改良し、シャッター開口までの時間を風の特性を利用して短縮させ、可動部品を減らすことで装置の耐久性を向上させました。建物開口部に設置することで、食品製造施設などで製品への主要な異物混入原因となっているユスリカなどの飛来侵入虫を、建物に入る前に除去し、侵入を妨げます。
「バグフラッシャー」の特徴
虫を吹き飛ばす“フラッシング”機能
シャッター付近に溜まった飛来虫を、シャッターが開く前に強力な送風によって吹き飛ばし遠ざけることで、シャッターが開いた後の侵入を減少させます。吹き始めが不安定なエアカーテンの弱点を補う当社独自の機能で、頻繁に開閉のある搬出入口などでの防虫対策に最適です。
虫の侵入を妨げる“エアカーテン”機能
2層の風の流れによって、周辺の虫や“フラッシング”によって吹き飛ばされた虫の侵入を妨げます。外側に大きく張り出した風の流れは、内側の風の流れを守る役割となっており、向かい風などによって内側の風の流れが建物内に押し込まれて、風に乗った虫が建物内に入ってしまうのを防ぎます。
「エアフラッシャー」の改良により、迅速性、耐久性を向上
「エアフラッシャー」は、「バグフラッシャー」と同じ目的で2003年に開発された防虫設備ですが、モーター駆動のルーバーを用いるなどしていたため、“フラッシング”開始から“エアカーテン”への動作切替までに約5秒かかるのが弱点でした。「バグフラッシャー」は、モーターなどの可動部品をなくすことで、故障のリスクが低減され、動作切替までの時間も最短約1秒と、大幅な機能向上に成功しました。
竹中工務店の「防虫エンジニアリング」
近年製品の安全・安心に注目が集まるなかで、異物混入の原因となる建物への虫の侵入には細心の注意が必要です。当社は2001年に防虫研究の専用施設を技術研究所に設置するなど、建設会社としては最も早くから施設の防虫に取り組んできました。
これまでIPM※(総合的病害虫管理)の見地から、人と環境に配慮した防虫技術の開発を進め、飛来虫に有効な「バグキーパー」、歩行虫に有効な「バグバンパー」、飛来虫、歩行虫の両方に有効な「バグシールド」を開発。2017年には、「バグキーパーM(mothfly:チョウバエ)」を開発し、これまで対策が困難であった排水系発生虫についてもラインアップを拡充させました。
今般の「バグフラッシャー」の開発により、昆虫異物混入において最も重要な飛来虫への対策が更に強化されました。今後も、当社独自のエンジニアリング技術を適切に組み合わせることで、施設の抱える課題に対して、建築的アプローチから解決策を提供します。
- ※薬剤の使用を極力抑え、多様な防除手段を効果的に組み合わせることによって虫の生息数を許容できる範囲に抑え、衛生的な環境を維持する管理手法。
尚、7月3日より東京ビッグサイトで開催されるインターフェックスジャパンの当社ブースにおいて、バグフラッシャーの詳細について説明させていただく予定です。
また、7月中に販売を開始する予定です。