「一社だけでは実現できない」2050年に向けて、連携や協力を呼びかけていく
Message~私たちが考える
カーボンニュートラル~
カーボンニュートラル社会の実現に向けて、竹中技術研究所は今、何を目指しているのか、何に取り組んでいるのか、何にチャレンジしていくのか。 指揮をとる4人が、それぞれの視点から考えを語ります。
“ちから”を集約して地球にアピールを
- 自然災害の多発や異常気象は、地球が悲鳴を上げていること、そして元凶である人類を滅ぼそうと考えていることの表れかもしれません。 環境破壊につながるCO2発生量を削減し、カーボンニュートラルを実現することは、地球に滅ばされないために、我々人類が絶対実施しないといけない必須事項だと思っています。 もちろん、一人一人の“ちから”は小さく、地球に対してのアピール(?)にはならず、地球が気づいてくれないかもしれません。でも、一人一人が自分事として対応しないと、地球には相手にされません。 まず、一人一人が、カーボンニュートラル社会の実現を自分事ととらえて行動すること。そして“ちから”を集約し、地球環境の改善に役立たせること。そうして、地球とともに長く幸せに暮らせる環境を作っていきたいですね。 もちろん、“ちから”の集約のためには、当社だけではなく、異なる価値観を持つ多様な企業との共創、オープンイノベーションが重要です。それに向けて竹中工務店では、GRITチームによる情報収集、COT-Lab®での共創活動、TAKENAKAアクセラレーターの実施など、さまざまな施策を実施しています。 みなさん、一緒に、地球に滅ぼされないように頑張っていきましょう。
2050年に向けて、全員参加で取り組みましょう
- 当社は2021年3月に、2050年カーボンニュートラル実現に向けCO2削減長期目標を改定しました。また、2050年に80%削減としていた目標を100%削減とし、2030年までに35%削減という目標を掲げました。 2021年6月発行の「環境コンセプトブック」では、2050年に目指す社会を実現するための長期ロードマップを掲げ、「健康・快適で豊かに暮らせる社会」を最上位とし「脱炭素社会」「資源循環社会」「自然共生社会」の視点ごとに今後取り組む施策を示しています。また今後会社として目指す、脱炭素社会の取り組みとして、資材製造・建設から建物運用、解体廃棄に至る「ライフサイクルCO2ゼロ」実現に向けた考え方を整理しています。 2021年4月に発電を開始した新規事業の奥飛騨地熱発電事業は、地域活性化にも寄与する事業として更なる発展を目指し、脱炭素社会につなげます。資源循環社会に向けては、建物運用時に発生する生ごみ等からバイオガスを生成する「メタファーム®」の普及、「森林グランドサイクル®」の構築を目指した取り組みなどを加速させるとともに、自然共生社会に向けては、従業員に事業と生物多様性の関係を認識・共有して頂くべく研修所を活用した社内研修や「清和台の森づくり」を進めてまいります。 今後も全員参加で、カーボンニュートラルな社会の構築を目指し、さまざまな取り組みを実現させていきましょう。
脱炭素社会に向けて、領域横断での技術研究開発を
- 脱炭素社会に向けて、今後はより高速に産業構造や社会システムの変革が進んでいくことが予想されます。社会において、カーボンニュートラルやグリーンリカバリーの考えが醸成されることでしょう。政府系金融機関による大企業への支援時に環境規制が義務付けられたり、消費者に対しては環境対応商品購入にインセンティブがついたりすることで、環境技術への社会価値、経済価値がより一層変化することとなります。当社もいち早く脱炭素社会に向けた技術研究開発に取り組んでいます。これからの環境関連技術は「お金がかかるコト」から「お金を生むコト」に急速に変化し、その「コト」に関係するのは一企業ではありません。それを私たちも強く認識し、経済発展のための好機として捉えることが重要だと考えています。その機会を逃すことなく、技術研究開発においては、社内外有識者とのネットワーク拡大と協業により、客観性のある環境価値や社会価値の創出と発信に取り組みます。また、価値を共有するステークホルダーとの協業を介して、社会システムへの展開の高速化にも取り組みます。竹中技術研究所は、2020年以降の技術研究開発の方針として「建設基盤」「環境・社会」「未来・先端」と3つの重点領域を設定しています。①建築・土木分野に求められる価値②まちづくり視点で環境・社会分野に求められる価値③未来を予測し先端技術により新領域に求められる価値、今後はこれらの創造を目指します。脱炭素社会に貢献する技術研究開発は、3つの領域すべてに深く関係します。領域横断で、価値創造に向けてチャレンジを続けていきたいと思います。
社内外とのディスカッションを重ねてブラッシュアップ
- 世界中でカーボンニュートラルの早期実現に向けた動きが活性化し、産業革命からの化石燃料に依存するストック資源消費社会から、再生可能エネルギーを最大限に活用したグリーン成長を新たな核とする持続可能社会への変革という大きな挑戦が始まっています。これまでに当社では、ゼロエネルギービル(ZEB)、大型木質構造建築などの低炭素建築、低炭素型ECMコンクリート®、耐火集成材「燃エンウッド®」などの低炭素材料、建物完結型バイオガスシステム「メタファーム®」、帯水層蓄熱技術、省エネ型原位置土壌浄化システム「温促バイオ®」などの未利用エネルギー活用技術、スーパー台風も想定できる数値風洞「Kazamidori®」、都市水害リスクを低減する植栽空間「レインスケープ®」など、さまざまな技術を開発し、プロジェクトに適用しています。竹中技術研究所では、2050年のカーボンニュートラル社会実現に向けた検討を加速するために、全グループで既存技術の洗い出しや最新技術情報の収集、新たなアイデア検討を開始しました。新たなアイデアについては、所内の研究ディスカッションや社外有識者を招いたパネルディスカッションでブラッシュアップしています。これらの活動によって、建築およびまちづくりの分野での有用なカーボンニュートラル技術・取り組みを、早期に社会実装していきたいと考えています。
※役職名、メッセージ内容は、2021年12月時点のものです。