ダンパーが建物に伝わる地震のエネルギーを効率的に吸収することで、建物の揺れや損傷を低減します。
制振(制震)構造は、ブレーキの役割を果たすダンパーによって建物の揺れを低減します。そのしくみ、耐震構造との違い、および地震、台風、生活振動などの揺れの種類に応じた当社の対策技術を紹介します。
建物に入力される地震や風のエネルギーを制振ダンパーで効率的に吸収することで、建物構造体の損傷を低減し、暴風時の居住性を向上する構造です。
当社では、疲労耐久性に優れた「FMS合金ダンパー」、大地震時の揺れから風による小さな揺れまで制振効果を発揮する「ブロードバンド制振®ダンパー」など、バラエティに富んだ独自の制振ダンパーを開発しています。
強風や小地震による小さな揺れから大地震による大きな揺れまで、1つの装置で対応できる当社独自の制振ダンパーです。鋼材ダンパーと粘弾性ダンパーを直列につないだもので、大地震による大振幅の揺れには鋼材ダンパーが、強風による小振幅の揺れには粘弾性ダンパーが効果を発揮します。ブレースタイプの他、間柱タイプや鋼板壁タイプなど、様々なバリエーションを有しています。
鋼板を波形にすることで、波形方向に対して楽器のアコーディオンのように自由に伸び縮みする一方、地震力などの水平力には高いエネルギー吸収性能を発揮します。 鉄筋コンクリート耐震壁と比較すると、軽量であり,変形性能,地震エネルギー吸収能力に優れています。
国立研究開発法人物質・材料研究機構,淡路マテリア株式会社と共同で、疲労耐久性と繰り返し変形に対する性能安定性に優れたFe-Mn-Si系合金(FMS合金)およびFMS合金を用いた制振ダンパーを開発しました。
低降伏点鋼と呼ばれる従来の制振ダンパー用鋼材に比べて約10倍の疲労耐久性を有するため、長周期地震により長時間に渡って揺れ続ける恐れのある超高層建物にも最適な鋼材系ダンパーとして、『JPタワー名古屋』を皮切りに、積極的な展開を図っていきます。
大地震時に建物を浮き上がらせることで、建物に伝わる地震のエネルギーの一部を建物の重心が上方向に移動するエネルギーに変換して消費し、建物の地震被害を低減する制震構造です。
『岐阜シティ・タワー43』では、建物頂部の展望室を「超大型多段マスダンパー」として活用することで地震に対する安全性を確保しています。 マスダンパーは、建物頂部に設置した重りを建物の揺れと逆位相で振動させることで、建物に入力する地震のエネルギーを吸収し、建物の揺れを低減する装置です。