研究施設

既存拠点を集約し、知の交流による価値創造を目指した研究拠点です。敷地境界にバリアを設けず、四季の移ろいを感じて親しみやすいランドスケープ、地層のように幾重にも重なる水・緑・土のモチーフで構成した外装、積層されたオープンエリアにテラスやヴォイドを挿入し、発散と集中を促す流動的で心地よい立体的ワークプレイスによって、融通無碍な建築のあり方を追求しました。

緑豊かな東京郊外に立地する研究所内のプロバイオティクスに関する基礎研究施設です。実験室と思索する研究居室を隣合せに配置し、効率性向上とコミュニケーションを誘発します。閉じがちな研究居室には多摩丘陵を望む連窓を設け、実験・思索・周辺が一体となる研究施設としました。気密確保・差圧管理での封じ込めによる安全な研究環境と、大きな天井裏空間による高い更新性・メンテナンス性を実現した先端研究実験施設です。

敷地に沿う曲線状の外形と⼤型の鏡⾯横ルーバーで企業イメージを表現した食品研究所は周囲の風景をとり込み、四季折々の表情を映しだします。内部では、中心部に集中作業のための研究室を街区状に配置し、外周部には開放思考のための場として、光や風といった自然環境を積極的に取込む計画としました。里山の風景の中で目指したものは、研究者の方々の心身の集中-開放のモードに、建物が提供する空間が寄り沿う「感性を刺激する建築」でした。

コニカミノルタ八王子SKTは、世界のグループ拠点の中で最大規模のデジタル印刷システム研究開発拠点です。創業以来の中核技術である「光」「色」をコンセプトとしました。西側のインナーウォールは、「分光」を表す10色のグラデーションを配し、企業アイデンティティを表しています。また、オフィスエリアの中央部に「光」が降り注ぐ段状のアトリウムを計画し、研究者の立体的なコミュニケーションを可能としました。

ＯＥＭ供給を中心に海外に大きな生産拠点をもつ音響機器メーカーのＲ＆Ｄ機能を備えた本社ビルです。敷地は、多摩川の北に位置し、玉川上水の清流、武蔵野の豊かな緑に恵まれた環境の中にあります。自然採光、自然通風等、恵まれた自然を積極的に取り込み、ワークプレイスは、豊かな緑に面したオープンレイアウトとし、自由闊達な社風を反映したフレキシブルで多様なコミュニケーションを生み出す環境づくりを目指しました。

知的創造性の向上と最先端の環境配慮技術を導入した世界最大級の都市型サイエンスパークです。「森の中の研究所」というコンセプトで緑地や水辺を整備し周辺環境にも優しい施設としました。 研究棟を繋ぐメインストリートの周りにコミュニケーションスペースを配し、研究者の偶発的な出会いを誘発する「知の融合」の場としました。また、最先端省エネ技術の導入により研究施設では初の住宅・建設物省CO2推進モデル事業にも採択されました。

研究所に求められる知的生産性の向上と、社会的に求められる環境性能の両立を目指して計画された医薬研究所です。分散した既存拠点を集約して、敷地内で最大平面・最小断面の「ひろびろコンパクト」をテーマとした計画とし、研究者のコミュニケーションを活性化するために、施設の中心に立体的なワークプレイスを配置しています。また外観を特徴づけるトリプルスキンをはじめ、省CO2を実現する様々な環境技術を採用しています。