- 耐震レトロフィット(外観を損ねることのない耐震補強)
- 5年周期の塔体鉄骨塗装の実施
東京タワーは、テレビ放送時代を迎え、東京を中心に半径100km圏内を供用範囲として計画され、1958年(昭和33年)に完成した高さ333mの総合電波塔であり、自立鉄塔としては世界一の高さです。
竣工後より、総合電波塔として重要な使命を現在も担っていると共に、東京タワーは東京のシンボル・観光名所として親しまれています。
コンピューターが普及していなかった時代に設計された東京タワーですが、その都度安全性の検討を行っており、現在の設計基準に照らし合わせても、十分に頑強である事を確認しています。
東京タワーは1957年(昭和32年)6月から1958年(昭和33年)12月まで1年半の工期で、地上253mの自立鉄塔(鉄骨量3,600t)の頂部に、さらに80mのアンテナ支持塔(鉄骨量80t)を設置して、送受信用鉄塔として建設されました。
竣工後の塔体鉄骨の維持保全では、竣工後5年毎に高耐久性塗料による塗装改修工事を実施しています。電波に影響を与えないよう丸太足場を用い、34,000リットルもの塗料はハケによる手作業で塗られています。ここでは作業時の落下物の防止、塗料の飛散防止に特に注意をはらい、事故の絶無に努めています。
2003年には、地上波デジタル放送の導入に対応するための諸工事を実施しました。24時間工事体制の中、安全性に十分配慮を行い、営業をしながらでの工事を実現しました。諸工事による荷重増加に伴い、塔体には制振ダンパーの新設、塔体鋼板補強、杭増設工事を実施し、現行の構造基準に合致した耐震レトロフィットを行いました。ロングライフを実現するために、時代に応じた機能向上を実施しています。
建物及び設備の維持管理業務は、一般管理業務・運転監視業務・日常点検業務等についての要領・基準等が整備されています。また施設運営支援システム(CAFM)の導入により、履歴管理・エネルギー管理・設備機器管理を進め、運営の高度化・効率化を図っています。
東京タワーは、2008年に50周年を迎えました。開業以来、自立鉄塔として世界一の高さを誇り、東京の風景にはなくてはならない存在です。今後も公共電波の発信を担い続けると共に、東京のランドマークとしてあり続けるために適切な維持保全を実施していきます。
用途 |
送信施設および観光施設 |
所在地 |
東京都港区 |
竣工 |
1958年12月 |
建築面積>/th> |
4,120.34㎡ |
延床面積 |
24,088.39㎡ |
構造/規模 |
鉄骨造、鉄筋コンクリート造(フットタウン)/地下2階、地上13階 |
建築主 |
日本電波塔(株) |
設計指導 |
内藤多仲 |
設計 |
日建設計 |
施工 |
竹中工務店 |
維持管理 |
日本電波塔 |